2018年08月19日号 01面

 昨年7月、東京・千代田区の東京国際フォーラムで開催された「ラブ・ソナタ東京」の若者対象イベント「ゴスペルナイト」、そのフォローアップ集会として今年1月、中野区のなかのZERO大ホールで開催された「ゴスペルナイトNEXT」、その継続プログラムとして8月4日、「青年よ、立ち上がれ」をテーマに「ゴスペルナイトFUTURE」(ラブ・ソナタ東京2017実行委員会主催)が、杉並区の久遠キリスト教会で開かれた。ゲストスピーカーは、ヤンジェ・オンヌリ教会担任牧師のイ・サンジュン氏。【中田 朗】

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写真=集会は20代のユースが企画し賛美リードした

 「ゴスペルナイトFUTURE」は、「ゴスペルナイト」で献身を表明した次世代の教会を担う青年を励ますことを目的に開かれた集会で、主に20代のユース(青年)が企画し、賛美リード、司会進行など主体的に関わっている。

 イ氏は、ユースに重荷をもつ牧師だ。カナダ・バンクーバー・オンヌリ教会を牧会していた時は、4年間で200人から千人教会へ成長した。著書に『青年よ、立ち上がれ』(Duranno)がある。

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集会では、ユースの質問にイ氏が答えるという形で進行した。「同僚に福音を伝えたけれど応答がない。どうすればいいのか」に対しては、「韓国では、7回伝道されて新来会者として教会に来るという。だから、1回伝道して反応なくても失望することはない。私たちが伝道に失望する理由は、自分が収穫したいという思いがあるから。自分が種を蒔き、他の人が収穫することもある。だから、失望してはならない。また、自分が任された仕事において、卓越した能力を発揮すること。仕事で会社に貢献していないのに、神様はあなたを愛していると言っても力がない。信仰生活と共に社会の中心で一生懸命に生きる。その時、神様が油を注いでくださる」。

 「日本にはクリスチャンが少ない。自分の信仰を語るのも難しい。その中でどう振る舞えばいいか」については、「発想の転換が必要だ。靴を履かない未開の民族を見て、『靴は売れない』と見るか、『誰も履いていないから最高のマーケットだ』と見るかだ。聖書の真理はすべて逆説的真理だ。強い者を弱くし、弱い者を強くさせる。羊飼いが王になり、高慢な王が引き下ろされる。この世の中を転換できる神様だ。世の中の倫理でなく、福音の真理で社会を変えていかないといけない」。

 「先日、大きな集会で奉仕をしたが、結局、集会を見ることができなかった。マリアのように話を聞くことも大切だが、マルタがいないと集会が成り立たない。私たち奉仕者はマリアとマルタのどちらであるべきか」に対しては、「まず、自分がどちらのタイプであるかを知るべきだ。奉仕をしていて心に不安を感じるマリアタイプの人は、いったん奉仕を辞めて礼拝の場所に戻るといい。しかし、どこにいても仕事がいっぱい見えるマルタタイプの人は、仕事をすべきだ。マルタはキッチンから出てはいけない。マルタが料理を作るからおいしい。奉仕をさせていただくことが礼拝となるようにしなければいけない。その時に、私たちに愛し仕えてくださったイエス様の心を理解できる」。

 「イ先生が青年宣教に関わるようになったきっかけは」については、「私も若い時、神様と人格的に出会った。私は小さい時はいつも自殺願望を持っているような人間だったが、神様と出会って180度変わった。その時から青少年に対して『あなたも変われるんだ』と伝えたくなった」

 「自宅で食事をしながらリーダー会をすると聞いたが、その利点は」に対しては「信徒は働き手としての対象ではなく、愛の対象だ。教会は霊的な世界と実践的な世界がある。教会には理想主義者が多いが現実が伴っていない。小グループリーダー、青年リーダーだから来なければいけない、リーダーはもっと勉強しないといけない。それだと、来ても喜びがない。自分が思っていることを分かち合うこともできない。『ねばならない』には限界が来る。ところが、集まった時に、正直に自分の心を話せた、喜ぶ者と共に喜び無く者と共に泣くことのできるグループは、自然に広がっていく。青年たちをそのままの姿で愛していく時、家族となっていく。自分が幸せを感じる時、人を幸せにすることができる。私の家で食事をしながらリーダー会をしたのは、そのような共同体にしたかたったからです」。

 イ氏は、詩篇23篇からメッセージ。「教会が礼拝をしっかり捧げていくと、すべてのことが整えられていく。しかし、いちばんマンネリ化しやすいのも礼拝だ。神様と一対一で捧げる礼拝が息を吹き返さないといけない」と強調した。

 賛美リーダーの峯恵梨香さん(クリスチャン・ライフ・センター会員)は、「生まれ育ちがクリスチャンホームで奉仕の側に立ってしまう者なので、マルタとしてどう礼拝していくかが、これからの課題となりました」と感想を語った。