9月9日号紙面:新連載:NSDⅡへ 青年と教会を考える(1) まず「信仰継承」を目指す
2018年は「信仰継承」をテーマにした超教派の大規模集会が相次いでいる。17年の「ラブ・ソナタ2017」の青年向け集会ゴスペルナイトを受けて、今年1月にはゴスペルナイトNEXT、3月には日本基督教団主催の宗教改革500周年記念教会青年大会(リフォユース500)、6月には「TORCH バトンタッチ」が開催され、9月には子どもの優先度を上げる国際的運動4/14の窓運動のナショナルカンファレンスが予定されている。
各教団教派は教会員、礼拝出席者の高齢化、青少年の教会学校出席者減少の現実を目の当たりにし、様々なプロジェクトを展開している。その中で一教会、一教団教派を超えた協力の必要性も語られてきた。
このような近年の青年伝道の動きもある中、日本福音同盟(JEA)青年委員会は、関係する各教団教派、諸教会、宣教団体と問題意識を共有し、11月22〜24日に第2回日本青年伝道会議(NSDⅡ)を開催する。テーマは「神の国マインドに生きる」。内容は青年伝道担当者向けの青年宣教サミット、青年向けの青年大会、分科会、中高生、大学生・専門学生、社会人に分かれてのプログラムなどだ。本連載では、NSDⅡを迎える中で、教団教派の動向、教会の取り組み、青年たちの姿などを伝え、NSDⅡのテーマを深め、これからの青年と教会を考える。
写真=NSDⅠのパネルディスカッション
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NSDはどのように生まれたか。NSDは、JEAに関係する教会が中心となり、日本の多様な宣教課題を共有する日本伝道会議(JCE)が「生んだ実」と言われる。「危機の時代の宣教協力」がテーマとなった09年の第5回JCE(JCE5)では、多様な宣教テーマのプロジェクトが組織され、青年プロジェクトでは日本青年伝道会議の開催が決められた。
JCE5が採択した「札幌宣言」(第5回日本伝道会議 宣言文起草プロジェクト編『札幌宣言 21世紀における教会のチャレンジ』参照)では、「第3章宣教協力の実現」の中で、子どもを取りまく家庭環境の危機(いじめ、インターネットの弊害、大人との断絶)や教会における青年の課題(青年の減少、倫理価値観の多様化、次世代の担い手の育成、間口を広げる知恵)などが挙げられ、意識改革とともに、教会、諸団体の協力が提言された。
これらの課題を受けて、12年9月に第1回日本青年伝道会議(NSDⅠ)が開催された。聖書講解、主題説教ほか、教会の事例、超教派ミニストリーの紹介、青年たちによるパネルディスカッションが繰り広げられた。分科会では教会教育、献身、心の問題、社会問題、東日本大震災救援など50以上の多様な分科会が用意された。
NSDⅠ終了後はNSDセミナーが定期的に開かれてテーマを継承し、16年の第6回日本伝道会議(JCE6)では、青年や、青年伝道担当者向けのプログラムが組まれ、NSDⅡへ向けた青年の課題が議論された。
JCE6後に各プロジェクトがまとめた具体的なロードマップ(第6回日本伝道会議編『再生へのリ・ビジョン 次の伝道会議〈2023年〉へのロードマップ』)では、青年宣教のために、「クリスチャンホーム出身の中高生が受洗後も生き生きと教会につながり続けて、青年へと成長していくことがカギ」とする。
JEAは03年に世界宣教青年大会「すっと青山」を開催しており、この人脈が中心となりNSDⅠが開催された経緯がある。NSDⅡでは、さらに人脈を広げ、教団教派や諸団体の主体的な協力関係を形成する場となることを目指す。すでに17年5月には、各教団教派、諸団体の担当者によるサミット、今年1月には、青年にかかわる超教派団体によるサミットが開催されてきた。
クリスチャン・ホームに焦点化を当てた上で、日本社会へ目を向ける。同ロードマップでは、2023年のJCE7に向けて「アクティブな青年たちのネットワークを形成し、献身者や教会を担う若い人材を育成し、社会にキリスト教のインパクトを与えられる青年たちを派遣すること」を目指す。
このような青年伝道のビジョンを背景に、「神の国マインドに生きる」をテーマにしたNSDⅡが開かれていく。
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次回はJEAの関連する次世代の取り組みについて、続いて教団教派の取り組みを紹介します
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