11月18日号紙面:福音功労賞に吉持氏、藤井氏、星野氏 超教派活動、エバンジェリスト、詩画創作で
2018年11月18日号 08面
第24回日本福音功労賞顕彰式(日本福音振興会[泉田昭会長]主催)が11月5日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センター(OCC)で開かれた。いのちのことば社宣教団前理事長の吉持章(82)、日本キリスト伝道会エバンジェリストで小児科医の藤井圭子(81)、詩画作家の星野富弘(72)の3氏が顕彰された。【髙橋昌彦】
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吉持氏は、教会の牧会に励み、日本の教会の一致と協力のために尽力し、超教派活動に貢献したとして顕彰された。日本クリスチャンカレッジに学び、1959年日本同盟基督教団補教師に任ぜられた。教団内に国外宣教部を立ち上げ、浜名湖バイブルキャンプ場を建設。80年のビリーグラハム国際大会では全国総務を務めた。87年に東京キリスト教学園の理事長・学園長となり、学園を国立から千葉県印西に移転、90年に福音派最初の4年制神学大学となった。98年日本福音同盟(JEA)理事長、2003年いのちのことば社理事長に選任された。現在、東京基督教学園名誉理事長、日本同盟基督教団顧問。挨拶の中で吉持氏は「自分は足りないことだらけだが、神様が素晴らしい人を置いてくれた。3人の子ども7人の孫、みなクリスチャンで私の自慢。教団もJEAも学園の働きも、私にできないことを補ってくれる人が与えられ、支えられたことを感謝したい」と述べた。
藤井氏は、エバンジェリストとして国内外の集会で奉仕し、文書伝道を通して福音宣教に貢献した、として顕彰された。1961年広島大学医学部卒業、小児科医に。仏教に真理を求める中、63年に得度。その後尼僧校の舎監兼教師に任命されるが、どうしても仏教の中に真理を見出せず、還俗。小児科医に復帰し、結婚、二児を出産。家庭問題で悩むようになり、隣家の教会で開かれた伝道集会で回心。直ちに各種集会で証しし、85年には「日本キリスト伝道会エバンジェリスト」に任命され、現在まで国内外の伝道集会で奉仕。藤井氏は挨拶で、「学問として宗教を学んでもその実質はわからない、どっぷり漬からなければ。しかし、学べば学ぶほど、仏教には人の悟りはあっても、自分が求めていた絶対的なものは無かった。そんな私のところに、神様がご自分のほうから来てくださった。証しの本も、書くことが示される中で書き、用いられてきた。感謝あるのみ」と述べた。
星野氏は、詩画や随筆の創作活動に携わり、国内外で「花の詩画展」を開催して人々に感動を与えたとして顕彰された。1970年、故郷群馬で体育教師になるが、クラブ活動指導中に頸髄損傷。首から下の自由とともに生きる希望を失う。入院中に友人を通して神様に出会い、74年に病床洗礼を受ける。入院中、口に筆を加えて文や絵を描き始め、作品が認められ、詩画作家に。雑誌や新聞に作品やエッセイを連載、全国各地で「花の詩画展」開催、後に米国、ロシアにも及ぶ。91年、群馬県に富弘美術館開館。作品は教科書にも掲載され、現在も創作を続けている。挨拶は、出席できなかった星野氏に代わり、夫人の昌子さんがメッセージを代読。「病院で絵を描いたり詩を書いたりすることは、私にいちばん合っていると知った。できることはすべてなくなったと思っていた私に素晴らしいものを神様は与えてくれた。それを続けていくために祈ってくれる友も与えられた。今日は素晴らしい賞を与えられたが、ともに祈っていてくれる皆様とともにいただいたと思っている。私の描いたものを目にしてくださった方が、ほんの少しでも神様のことを感じてくださったら、こんなにうれしいことはない」と語った。