【続続報】スリランカで連続爆破テロ 世界福音同盟 慰めの祈り要請
▽続続報▽
スリランカ福音同盟「報復抑え平和の回復を」
日本福音同盟(JEA、岩上敬人総主事)は24日、スリランカ連続爆破事件に関して同国の福音同盟から世界福音同盟・アジア福音同盟を通じて届いた情報を加盟会員・協力会員に配信した。イースターの日曜礼拝を狙った犯行で、日曜学校の子どもたちにも犠牲者が出たこと分かった。
スリランカ福音同盟(NCEASL)の指導者ゴッドフレイ・ヨガラジャ氏によると、東部の都市バティカロアの爆発でNCEASLの地区スタッフ2家族の子どもたちが巻き込まれ犠牲になった。バティカロアではちょうど日曜学校が行われていた区域で爆発があり、多くの子どもたちが犠牲になったという。NCEASLは、この東部地区の家族の葬儀のために支援の要請を受け、できる限りの対応をしたいとしている。
NCEASLは同国の社会と教会に対し、冷静さを保ち平和の回復のため一致を保つように訴えた。今回の出来事に対する反動が起こらないように務めているといい、ヨガラジャ氏は「どうぞ私たちのために、スリランカの教会とクリスチャンを覚えてお祈りください」と訴えている。
写真=爆破で破壊されたコロンボ北部ネゴンボの聖セバスチャン教会内を調べる捜査員(AA/時事通信フォト)
福音派・カトリック一致して希望の証しを
スリランカのアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(AOG)は日本のAOGへの連絡で、次のように祈りを要請した。▽福音派・ペンテコステ派の教会がカトリックと一致してこの悲劇の中、キリストのからだとして共に痛みと悲しみを共有し教会の一致が国全体に証しとなるように。▽葬儀が赦しと和解の力強い証しとなり、他の宗教の群れの中に生きる希望を証しするものとなるように。▽諸教会がイスラム教徒に福音を届ける機会となるように。▽悲しみの中にある家族のために。
同国は内戦や災害で苦しむ中で、教会が恵みの器となってきたという。
▽続報▽
「教会への脅威まだある」続けて祈りを スリランカ信教の自由関係者が訴え
スリランカで教会やホテルなどが爆破されたテロ事件による死者は23日までに320人以上、負傷者は約600人に上る(現地報道)。事件に関連して拘束された容疑者は23日までに40人となった。政府は国内のイスラム過激派のテロで国際的な組織と連携の可能性もあるとの見方を示していたが、23日「イスラム国(ISIS)」が系列の通信社を通じて犯行声明を発表した。
長年スリランカを拠点に世界福音同盟(WEA)などで国際的に信教の自由を守る活動をしてきたゴッドフレイ・ヨガラジャ氏は23日、WEA理事らへのメールで、自身の事務所の近くでも爆発物が見つかり、当局から立ち退くよう促されて避難したことを伝えた。
ヨガラジャ氏は「町には緊張が続いており、キリスト教会が襲われる恐れはなおある」として、祈りを続けるよう求めている。
国の再生へ努力続ける 「融和の親善大使」エイドリアン牧師
スリランカの教会指導者のひとりでローザンヌ運動南アジア地区コーディネーターのエイドリアン・デ・ヴィッサ牧師は、2004年にスリランカ沿岸を襲った津波被災地に救援活動をしたことがきっかけで政府から「融和の親善大使」に委嘱された。沿岸の被災者たちは内陸のキリスト教徒の村をしばしば襲い焼き打ちする過激派仏教徒だったが、敵と思っていたクリスチャンたちが住宅や寺の清掃や再建など親身な支援をしたことで両者の和解が成立したのだ。
そのエイドリアンさんは、このたびの連続テロについて「2009年以来シンハラ対タミール問題は落ち着いてきていたのにとても悲しい」と述べた。
2004年の津波で多くの人が亡くなり荒れ果てたが、希望がなかったわけではないという。「私たちはこの国の再生のために祈り続けてきた。多くの人々がその祈りに加わり、朝ごとに多くの祈りがささげられ、問題を突破できると確信した」
事件の日の夜からエイドリアンさんは、こんな疑問と格闘してきた。これはこの国に神が介入されることの始まりだろうか、と。「神は主権をお持ちの方です。この悲劇的な出来事も、神が知らずに起きたわけではありません。私たちは主を信頼し、神がこの国で栄光をお受けになるまで努力を続けます」