9月22日号紙面:小さないのちのドア1周年 10月に記念講演会 「あなたも赤ちゃんも幸せになろうね」 「いのち輝く社会の実現へ」
小さないのちのドア1周年 10月に記念講演会 「あなたも赤ちゃんも幸せになろうね」 「いのち輝く社会の実現へ」
神戸市北区の一般社団法人「小さないのちのドア」は、思いがけない妊娠や、もう育てられないと思い悩む女性のための相談窓口だ。同地でマナ助産院を開業している助産師の永原郁子さんが中心となって、昨年9月に同院内に開設した。電話やメール、LINE、また直接来所しての相談など、無料で相談でき、24時間いつでも開かれている。
開設して1年、今年8月末で相談件数は千350件に上る。来所での相談は51件。妊娠後期まで病院未受診だった女性からの相談も31件あり、母子手帳の取得や病院に繋ぐなど、行政や関係機関と連携しながら安全安心な出産育児へとつながるように支援してきた。生まれても育てることができない場合は特別養子縁組のあっせん団体を紹介し、13件つないできた。
永原さんは来訪者を「赤ちゃんのいのちを守るためによく来てくれたね」とねぎらう。「あなたも赤ちゃんも幸せになろうね。必ずその道があるよ。一緒に考えよう」
この一心で行き場のない女性たちを受け止め、力を尽くしてきた。女性たちの中には住む家がないネットカフェ難民もいる。ほとんどの女性がパートナーとは音信不通になっており、実家も関係性や経済困窮によって頼れない人が多いため孤立していた。そのため出産前後の温かいケアはもちろん、赤ちゃんを育てながら暮らせるよう就労支援の団体にもつなぐなど、自立して幸せに生きていく道に立てるまでサポートする。「お母さんにとって一番いい方法を見つけて対応しています」
いずれは安心して出産前後の時期を過ごせる家「マタニティホーム」を、助産院の隣りに建設する予定だ。
「この働きを通して、これまで見ていた社会とは違う社会が見えたと感じています。女性って本当につらい。心底思います。ここに来る多くの女性が『社会は冷たい』、『人は信頼できない』と思っています。でも、ここのドアの中では温かいものを感じてほしい。あなたの幸せを願っているという思いが伝わるところでありたい。そして、いつでも帰っておいでと、送り出しています」
「ここがあってよかった」と、笑顔で赤ちゃんを連れて訪ねてくれる人もいる。永原さんはこの働きを全国に広めたいと願っている。
「これはクリスチャンの働きだと思います。神様と養子縁組をしている私たちから冷たい社会を変えていかなければ。イエス様が、『この小さないのちをどうするのだ?』と、聞いておられるのですから」
10月5日に開設1周年記念講演会「いのち輝く社会の実現へ」が、午後1時半(1時開場)から、神戸市中央区の神戸市産業振興センター・ハーバーホールで開かれる。講演は青少年の育成に尽力する“夜回り先生”として著名な花園大学客員教授の水谷修さん。ゲストコンサートは福音歌手の森祐理さん。ゴスペルバンドPostmanも出演する。チケットは千円(未就園児無料)。チケットの購入は「小さないのちのドア」ホームページ(Shttp://door.or.jp/)のチケット購入ページ、または往復はがきに参加者氏名、住所、枚数、連絡先を記入して、振込先「日新信用金庫ひよどり台支店普通0266401 一社小さないのちのドア」に入金すれば、後日案内が返信される。住所・問い合わせは事務局〒651- 1123 神戸市北区ひよどり台2ノ30ノ6 電話078・743・2405 Eメールinfo-inochi@door.or.jp