第4回NCC教会教育フェスティバル 多様性重視した教会学校へ

 「みんな集まれ!−キリストにつながれて多様であるわたしたち−」をテーマに、第4回「教会教育フェスティバル」が、9月15〜16日、日本キリスト教協議会(NCC)教育部(石田学理事長)主催によって、東京都内で開催された。

 この催しは2007年に東京で第1回が開かれた後、11年に松本、13年には仙台で開催され、今回で第4回目になる。日曜学校、教会学校のリーダーや教会教育に携わっている人、人権・平和教育に関心がある人たち86人が全国から参加した。

   ◇   ◇

 開会礼拝は、会場の日本福音ルーテル東京教会にパイプオルガンの荘厳な響きが奏でられる中、三浦知夫さん(実行委員・ルーテル池袋教会牧師)の司式により幕を開けた。メッセージは関田寛雄さん(日本基督教団神奈川教区巡回牧師)の「派遣における平安」。ヨハネによる福音書20章19〜23節から、一つになろうとしない現代社会を見据えて、今こそキリストにつながって一つとなることの大切さを解き明かした。国家や宗教や人種を越えて、共に生きる社会を目指すことこそが平安であること、それには神さまの導きを信じて生きることが大事であると、優しい口調ながら力強く参加者に呼びかけた。

 その後、五つの分科会で、それぞれ専門の講師を中心に研修が行われた。分科会の内容は以下の通り。「ゴスペルを叫ぼう!」「賛美歌をボーッと歌っていませんか?」「エキュメニカル教育って何だろう?」「パステル画の聖句カードを作りましょう」「共に読み、共に分かち合う教会学校」。分科会の後は、夕食と交わりの時をはさみ、その後には日本福音ルーテル東京教会の夕礼拝参加というプログラムであった。

 2日目の16日は、朝からあいにくの雨だったが、会場を日本キリスト教会館に移して、以下の5つの分科会でスタートした。「多様な性/LGBTと子どもたち」「こどもと楽しむゲーム」「ミャンマーの文化に出会おう」「自分ごととしての人権」「潜伏キリシタンについて」。その後の昼食は、分科会の講師も担ってくださったマキン・サン・サン・アウンさんらがミャンマー料理を用意してくださり、楽しいひと時を過ごした。

 派遣礼拝は早稲田教会スコットホールにおいて、分科会参加者によるゴスペル献唱から始まった。陣内大蔵さん(実行委員・日本基督教団東美教会牧師)の司式、古賀博さん(日本基督教団早稲田教会牧師)によるメッセージ。タイトルは「端切れ、つなぐ糸」、聖書個所は使徒言行録11章1〜11節。大きなパッチワークの布が礼拝堂に広げられ、捨てられる端切れが美しい模様を醸し出すこと、しかしその裏では、縦糸と横糸の繊細な関係性が重要であることが語られた。キリストという縦糸に私たちは横糸としてしっかりと繋(つな)がっていく必要性を説かれた。

 閉会の挨拶で比企敦子さん(NCC教育部総主事)は、敷地内に隣接するWAM(女たちの戦争と平和資料館)を紹介しつつ、近隣諸国と現在の日本の関係を憂い、「東アジアにおける日本の植民地支配に対する贖罪の気持ちを忘れないようにしたい」と語った。多様性や違いを超えてキリストにあって一つになることの大事さを宣言し、会を閉じた。

 その後希望者には、NCC教育部が2017年に開設した「平和教育資料センター」の見学と、高橋顕さん(日本聖公会目白聖公会司祭)の案内による「江戸のキリシタン史跡巡り」の二つのオプションツアーが企画されていた。定員の枠があったものの、その枠いっぱいの参加人数だった。

 今回のフェスティバルは、在日大韓基督教会、日本基督教団、日本聖公会、日本聖書協会、日本ナザレン教団、日本バプテスト連盟、日本バプテスト同盟、日本福音ルーテル教会に所属する者たちが教派を超えて集い、1年あまりの準備期間を経て開催された。

レポート・林誠=実行委員長・日本基督教団更生教会会員