2015年07月05日号 3面

【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は6月15日、元駐ドミニカ共和国大使のヨゼフ・ベゾロフスキ元大司教を性的虐待罪で起訴し、7月11日に審理を開始すると発表した。AFP通信が報じた。バチカン内で高位聖職者が性的虐待により起訴されたのは初めて。

さらに15日、小児性愛の聖職者から未成年者を守れなかったとして、米国の高位聖職者2人の辞職も発表した。

バチカンは10日、神父らによる児童への性的虐待を隠蔽した司教を裁く法廷を新設すると発表している。バチカンによると、2004~13年の10年間に3千420件の虐待被害の申し立てがあり、848人の聖職者が資格を剥奪された。しかし隠蔽した司教の責任を問い、処分を下す組織的な司法制度は整っていなかった。