「いじめ」ストップ!ピンク・シャツ・ミーティング 「みんなちがって、みんないい」 大阪クリスチャンセンターでピンクシャツデー

ピンクシャツデーの発端はカナダのハイスクールでのいじめ事件だ。ピンクのシャツを着て登校した少年をからかい暴行した生徒たちに、憤慨した上級生2人がインターネットでクラスメートに呼びかけたのだ。
「いじめなんかうんざりだ。アクションを起こそう。明日、いっしょに学校でピンクシャツを着よう」
この呼びかけに応えた多くの生徒たちが、ピンクの服を着たりピンクの小物を身に付けて登校した。これを機に、学校ではいじめがなくなったという。いじめの問題に、子どもたち自身が立ち上がり、世界に発信している画期的な運動だ。
当重さんは、息子の通っていたYMCAの学校で行われていた活動を、大阪クリスチャンセンターでもぜひやりたいと思っていたと挨拶し「いじめのない社会を切望しつつ、皆様と共にいじめについて考えていきたい」と、呼びかけた。
当重さんが藤井寺キリスト教会で指導しているコーラスグループ「コーロ・パーチェ」の合唱でオープニング。人権啓発アニメ「差別のない世界へ」の上映後、アマチュア落語家として活躍するゴスペル亭パウロさんが創作落語「優君くんとおばあちゃん」の中で「人が人に優しくできんから、戦争になる」と、訴えた。
大阪クリスチャンセンター理事長の岸本大樹牧師がメッセージに立った。
「神は天地創造の最後に人間を創られ『それは極めてよかった』と、言われました。ある訳では『神は喜ばれた』と、あります。神にとって、人間は存在そのものが喜びなのです。違いがあっても、排斥されることはないはずなのに、いじめは、自分と違うと言って、いやがらせをして排斥したりする。それは神の喜びを邪魔する行為です。神の働きを邪魔して、神を無視することです」
息子がいじめに遭った体験に触れ、死にまで追い詰めるいじめは「ある意味、人殺しです」と、訴えた。
「つらい気持ちを神はよくわかってくださる。私たち一人一人を、神は慈しみ尊んでくださる。それを知った人は、しんどさを抱えながらも生き抜いていけます。いじめが世界からなくなるように、祈っていきましょう」
生まれつき手足がなくても世界中の人に希望のメッセージを届けているオーストラリアのニック・ブイチチさんの映像を放映した。ニックさんは自身もいじめられた体験を語り「神を信じることを諦めないで」と、呼びかけた。
バリトン歌手の時田直也さんの弾き歌いトークコンサートが開かれ「みんなちがって、みんないい」とうたった金子みすゞの詩「わたしと小鳥と鈴と」等を、豊かな歌声で表現して会場を魅了した。未熟児網膜症で目の見えない息子に、生涯「おまえが生まれてきてくれて嬉しかった」と語り続けた父と、いじめに遭ったときに助けてくれた担任の先生がいなかったら、どうなっていたかわからないと振り返った。
「人と人が互いに神様の作品として大事にし合える社会になることを願ってやみません」
最後に当重さんは「今日は、私たち一人一人が神様の最高傑作であることを再確認できました」と、温かな集まりとなったことを感謝した。