さよなら、書店? 「本屋」の存在意義①

【書店】本を販売する小売店

【本屋】本を売る人たち

写真=「本屋博」には2日間で3万人が来場

 新型コロナウイルス感染拡大を受けて、本連載で考えようとする「本屋の存在意義」はますます薄らいでいるようにも見える。ネット書店に対抗し、イベントや空間体験を重視したリアル書店は、その活動を制限せざるを得ない。各出版社は一部の書籍をオンラインで無料公開し始めた。外出を自粛するのを機に電子書籍の利用も増えるだろう。

 だが、かすかに望みはある。この期間に読書をしようという声も聞こえ始めているからだ。レジャー施設が閉鎖、図書館が休館する中、静かな書店で時間を過ごし、本を選んでいる人たちは微増しているように見える。とはいえ、他の小売店、業界ともども苦境に立ち、撤退する書店も出てくるのではないか。「緊急事態宣言」が発令された場合はどうなるだろうか。以下の連載は、新型コロナウイルスの深刻な事態が起こる前に大部分を取材しまとめたものだ。

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 まちから書店が消えている。交差点や商店街にあった書店が閉店した。駅前や郊外ショッピングセンターの中型、大型チェーン店はにぎわいを保つ。だがメディアを通して知った本は、Amazonやオンライン書店でクリック。リアルの書店に行く機会は減った。ましてキリスト教書店ともなれば、限られた都市にあるのみだ。

 一般書店界では、流通の課題をテーマにしたイベントが1、2月に相次いだ。これらを受けて、この連載では、現代における「本屋」の存在意義、可能性を、キリスト教書店を視野に入れて考えていく。

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「本屋」の“空間”を取り戻せるか

 書店の風景はこの30年で急激に変わってきた。90年代にはブックオフなどの新古書店が台頭。Amazonなどオンライン書店が影響力を強め、、、、、

4月12日号掲載記事