世界の果てまでバレエと福音を 株式会社ライフスタイルオーダーメイド代表取締役 バレエダンサー 岡脇 柚太加さん(下)

「バレエ団作りたい」

16歳の時、バレエ学校のオーディションに受かった岡脇さんは、高校を中退し、兵庫県芦屋市にあるAIS国際バレエ学校に入学。バレエのレッスンに明け暮れた。その後、奨学金を得てアメリカへ短期バレエ留学。その期間も終わりいよいよ就職という時、「この才能をどこで生かせばいいのか、どうやって神様の栄光を証しすればいいのかと考えた時に、漠然とバレエ団を作りたいと思った」という。
だが、経験もないし、どう考えても作れる状況ではなかった。「日本のバレエ界に対し、構造上いろんな問題を感じていたり、クリスチャンアートに対してはクオリティーの部分で物足りなさを感じていた。レベルの高いものを日本に持ってきたいと思っていたので、そのためにヨーロッパのバレエ団に入り、一流の芸術に触れ、帰国してからバレエ団を作ればいいかな、という思いが自分の中にでき上がっていました」
実際にドイツに渡り、いくつかのオーディションを受けに転々としたが、「すべて不合格だった。なぜだか分からないけれど、神様はいろんな道をみな閉ざされた」。その中で唯一、スロバキアの国立劇場から「来てもいいよ」という話をもらい、一安心して帰国。だが、「何か違う」という思いも残っていた。そんな矢先、岡脇さんの妹が、「兄さん、こんなのがあるよ」と、本紙に載った記事を見せた。それはバレエでミニストリーを行っている「ABC-TOKYOバレエ団」の記事だった。
2013年1月、岡脇さんは同バレエ団に話を聞きにいった。ただし、自分がクリスチャンであることは伏せた。「恐らく僕がクリスチャンだと知ったら、たぶんオーディションを受けずに合格してしまう」と思ったからだ。ところが、面接の中で、「君、クリスチャンなの」という話になり、「はい」と答えると、「明日から来てくれ」ということに。スロバキアに行きたいという思いもあったが、召しを感じ、ABC-TOKYOバレエ団に入団。「『メサイア』とか素晴らしいバレエをやっているし、これを世の中に広げていくのが、僕のミッションに違いないと思いました」

お金の問題に直面

だが、バレエをする中で、お金の問題にぶち当たった。「当時、バレエダンサーのほとんどはアルバイトをしていた。その現状を変えるために自分がやるべきことは何なのかと思った時に、アルバイトをしなくてもすべてのエネルギーをバレエに注げる環境を作ることではないか、と考えた。お金の問題を解決できれば神様の栄光を証しできると。それで1年後の14年7月にバレエスクールを始めることになりました」、、、、

4月12日号紙面