新型コロナウイルス感染症拡大で、多くの大学が授業開始を5月連休明けに遅らす措置を取る中、東京・三鷹市大沢の国際基督教大学(ICU、岩切正一郎学長)は、この春入学した学生を含む在校生3,190人(学部生2,981人、大学院生209人)を対象に4月9日からオンラインで授業を開始した。

ICUでは、新型コロナウイルス感染症拡大が懸念される3月12日の学内会議において、留学生(派遣と受け入れ)への対応も含め、教育・研究の継続確保のために、学年暦どおりの授業日程によるオンライン授業の導入を決定。「事態が収束しない最悪のケースを想定し、それに対処できるようにした。もし事態が改善されれば通常授業へ戻ることは容易だが、逆は困難だからだ」と、導入の理由を語る。4月2日には、春学期はすべてオンライン授業とすることに決めた。
オンライン授業の進め方は(1)同期型、(2)非同期型、(3)複合型、の三つ。
(1)は、設定されている授業時間に、オンラインで教員と学生が互いに顔を見ながら授業を進める方法で、教員はZoomやGoogle Hangouts Meetなどのアプリケーションを使い、カメラ付きコンピュータの前で授業を実施。学生は自宅などから通常の授業時のように授業を聞き、質問、グループワーク、発表などを行う。
(2)は、教員が準備したオンライン上の資料やビデオに学生がアクセスし、それを基に学びを進めていく方法。この場合、教員と学生は同時にオンライン上にいる必要はないが、MoodleやGoogle Classroomなどを利用して、オンライン上で課題提出や、通常時の授業でも活用している「コメント・シート(授業への意見や質問を記入するシート)」を提出する。
(3)は、二つのスタイルを組み合わせたもの。
本格的な授業は4月23日から。それまでは、オンライン授業の準備期間として、学生は与えられた課題に各自取り組み、教員からフィードバックをもらう課題研究等の期間だという。オンライン授業は、春学期の6月末までだが、状況によっては延長される可能性がある。