※熊本地震発生直後の2016年の記事を振り返ります。

熊本・大分 連続地震 疲労と不安 にじむ

 4月14日以降、熊本県を中心に発生した連続地震は、広い範囲で被害をもたらした。プロテスタント・キリスト教会関係でも熊本県益子郡益城町で1つの教会堂が全壊したほか、損傷した教会関係施設は多いが、人命に関わる被害はなかった。被災教会のケアとともに、地元教会、教団・教派、超教派ネットワーク、NGO、個人らによる地域の支援活動が展開された。震災後1週間の時点で、地元教会の牧師らには疲労が見られた。避難所が縮小される中で、自宅の被害を受けた人々の今後、帰宅後も不安や疲労を抱える人々の心のケアを心配する声もあった。【クリスチャン新聞取材班】1面

全壊家屋に5時間

会堂全壊は、4月14日の前震で震度7を記録した益城町にあるバイブル・プロテスタント基督教会熊本東聖書キリスト教会(豊世武士牧師)。会堂兼住居が倒壊し、豊世夫妻は、1階の裏手から這い出た。
夫妻の娘の美文さんは、風呂場のドアの下敷きになり、手が挟まれ、正座したままの姿勢で動けない状態に。救助隊が駆けつけ地震から5時間後に救出された。けがはあったものの、命に別状はなかった。

関係のある単立・熊本北聖書キリスト教会に避難。その後、息子宅に避難したが、震災後1週間の21日時点では、夫妻は疲労している様子だという。美文さんは、むくみやしびれは残るものの退院し、「証しする必要がある」との思いで、地元メディアなどに積極的に出演している。21日のTBSの報道では、救出までの間、身動きがとれない状態が続き、余震で何度も押しつぶされそうになったこと、趣味の登山の知識が体調維持に役立ったこと、聖書の言葉を思い浮かべ励みにしたことなどを話した。豊世牧師は、元CLC熊本、金沢の店長。関係者からも心配の声が寄せられた。DSC01422(2,0mb)
同町の単立・木山キリスト教会(小田真由美牧師)は、建物に亀裂、内部で棚などが倒壊した。信徒や近隣の人が避難した。

ネットワークの後方支援直ちに

地震後には周辺の教会の牧師が被災教会を訪ねたり情報発信をしたり、各教会、教団・教派、超教派のブログ、フェイスブックなどで被災状況、支援ニーズ、方策などについて情報交換がされた。教会堂、施設、信徒宅でのひび、備品倒壊などは多数。電気、水道、ガス、交通などのインフラ遮断があった。余震を恐れ、避難所や車中泊をする人たちもいた。17日の日曜礼拝は教会堂では中止したり、別施設で実施したところもあった。以下、各情報は22日まで。

熊本市のトータル・クリスチャン・チャーチ・グループ・熊本ハーベストチャーチ(中村陽志牧師)は建物に損傷、内部の備品の倒壊などの被害があった。中村牧師は、15日には益城町の教会を訪ね、関係教会や熊本市教役者会との連携を始めた。山鹿市のJECA・鹿本キリスト教会、原口泉牧師も、15日に益城市に訪問し、教会の情報発信をした。

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日本福音同盟は援助協力委員会が直後から情報交換し、DRCnet(災害救援キリスト者連絡会)も情報を共有し、それぞれホームページに被災状況や支援情報をまとめた。
熊本教役者会(世話役・本堀秀一〔アッセンブリー・希望丘キリスト教会牧師〕)は16日までに、熊本地震支援センターを発足。募金受付ほか、ボランティアを呼びかけた。

各団体、個人それぞれが支援を進めた中、18日には、福岡牧師会が呼びかけて、現地教役者、各支援団体スタッフらが集い、「熊本地震支援のための連絡会」が開かれた。福岡県福岡市城南区東油山の日本イエス・福岡教会油山シャローム・チャペル(横田法路牧師)で開かれ、同教会が拠点となり「九州キリスト災害支援センター」が発足。熊本教役者会熊本地震支援センターは、これに合流した。20160416_020548_resized_1
熊本市内に5つの教会、5つの学校、2つの社会福祉法人を有する日本福音ルーテル教会では、熊本市で教会堂内備品などの倒壊の被害があった。「九州教区現地対策本部」(岩切雄太本部長)を設置し、ブログ、フェイスブックで状況を伝えた。会堂を開放し避難所としている教会もある。

日本基督教団九州教区(梅崎浩二教区総会議長)の各教会では、会堂内備品の倒壊、破損があったほか、教師・信徒で避難所で生活する人々がいる。教会堂、園舎などで近隣を受け入れている所もある。震源地から近い錦ヶ丘教会では、外壁一部にひび、パイプオルガンの破損。熊本白川教会は礼拝堂屋根瓦が散乱。幼稚園外壁が倒壊した。

日本福音キリスト教会連合(JECA、松村識全国運営委員長)は、ブログで災害情報を報告。加盟教会の鹿本キリスト教会、東洋ローアキリスト伝道教会熊本伝道所で屋根瓦が損壊。聾唖者の情報不足に悩んだ。友好教会や関連教会のバイブル・プロテスタント基督教会の様子も伝えた。

日本アッセンブリー教団(寺田文雄理事長)もブログで報告し、川尻キリスト教会(高口喜美男牧師)では、会堂のブロック塀が倒壊。納骨堂は地盤とともに沈下。ほぼ全員の信徒宅で家屋に被害があり、避難した。
また日本ホーリネス教団熊本キリスト教会教会堂に大きなヒビが入り、屋根瓦も落ち、建物被害が出た。

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熊本地震から5年を迎えるこの週、クリスチャン新聞オンラインでは、地震発生当時の初期約1か月の報道を振り返ります
記事のリストはこちら → シリーズ「熊本地震から5年」を掲載 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=31229
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