5月3日号紙面:【連載】生き方としての「本屋」 「本屋」の存在意義④
個性豊かな40の本屋が集った「二子玉川 本屋博」は、東急・二子玉川駅出てすぐの屋根付きの半屋外広場ガレリアで1月31日、2月1日に開催された。2日間で3万人以上が来場した。
駅を出ると、本棚をうずたかく重ねたオブジェと、本を満載にした2台の本屋バス(BOOK TRUCKとVALUE BOOKS)が迎えた。その向こう側には、各本屋のブース。絵本や海外の本に強い店、猫や花など特定のテーマに特化した店などバラエティーに富む。売り方も様々だ。キーワードだけを本のカバーに書いたもの、好きな香りを選び、そのイメージに合った本を提供する、などゲーム的な趣向も凝らされていた。店員と語り合うお客たちの様子も印象的だ。食べ物屋台、印刷や紙のワークショップ、音楽やトークのライブもあった。
本屋博実行委員長の北田博充さんは、本屋博会場そばの二子玉川蔦屋家電の書店員であると同時に、自身でひとり出版社、書肆汽水域(しょしきすいいき)を運営している。蔦屋家電は、本、家電、カフェなどを組み合わせたライフスタイルショップ。二子玉川店の書店部門には、北田さんを含む独立指向の高い「本のコンシェルジェ」たちが本をセレクトしている。
本屋博の出品者たちは、学生時代からアルバイトで書店員をしていた人もいれば他業種から転職、起業して始める人もいる。「高度成長期や、バブル期以降に育った人たちは、今までの本屋の在り方にとらわれず、自分なりの視点で本屋を捉えている、と言われている」と実行委員は話した。
『これからの本屋』(北田博充著、書肆汽水域、2016)
本屋博の出店者のいくつかについては『街灯りとしての本屋 11書店に聞く、お店のはじめ方・つづけ方』(田中佳祐著、竹田信弥構成、雷鳥社、2019)でも詳しい
『これからの本屋』(書肆汽水域、2016)で、北田さんと対談した、本屋博の出店者でもある高橋和也さん(SUNNY BOY BOOKS)は、「本屋って、『生き方』だと思う」と述べていた。、、、、