写真=村で手洗いの仕方を教えた

カンボジアは5月1日現在、感染者数122人、死者数0人。122人の大半はすでに治癒している。ここ数週間は新規感染者は出ていない状況だ。OMFカンボジア宣教師で医師の今村裕三さんのレポートを届ける。

最初の感染者は外国人で今年1月。その後、3月の第一週に感染者が出てから、主に観光客の外国人、海外からのカンボジア人帰国者の感染者数が増え、政府はすぐに全国の学校休校、そしてある宗教を信仰する人たちの集団感染があったため宗教集会を禁止にした。
政府は長期休暇で多くの人が帰省する4月中旬のカンボジア正月を延期、州をまたぐ移動を1週間ほど禁止したが、それでも帰省する人が多かったようだ。現時点ではさらなる感染者が出ないか注意深く見ているところだ
幸い、新規感染者が発生していない状況で、外出は自由にできるが「人混みを避け家にいましょう」と励まされている。感染者の大半が外国人、外国で感染したカンボジア人だったため、外国人に対する恐れ、偏見が生じている。否定的な感情を持つカンボジア人もいる。村によっては、外国人は入ってはいけないと、村長から言われているところもある。
カンボジアでは、基本的にクラスター対策で、感染者が出た場合、濃厚接触者を積極的に隔離し、全国の学校の休校、大人数での宗教的集会の禁止、カジノ・カラオケバーの休店など、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の方策を進めている。国独自の政治体制にもよるが、行動と対応が早く、囲い込みに成功している。よくやっていると思う。第一波を無事乗り越えることになるかもしれないが、他国では第二、第三波が観察されているので、まだ注意が必要だ。
COVID-19の治療に関しては、政府の指定した病院のみでの治療で、各州の州立病院などになる。治療費は外国人も含めて無料。残念ながら医療レベルは十分ではないので、COVID-19にかからないよう祈り、気をつけている。また平時では他の病気・怪我などのために医療レベルの高い近隣国に緊急移送されることがあるが、現在はほぼ不可能な状態だ。そのため、交通事故、デング熱にならないよう祈り、気をつけている。比較的少ない患者でも医療崩壊しやすい環境にある中、周辺国と比べ患者数が少なく抑えられているのは、神様の守りの中にあると思える。
教会や日本人集会の状況は、宗教省からの要請に基づき、3月中旬から教会での聖日礼拝を取りやめにするところが増えた。24歳以下が人口の半数以上という若い国なので、都市の教会では若者が中心となって礼拝のインターネット配信をしたり、インターネット電話を介して祈祷会や聖書研究が続けられている。ある教会は、週3回、賛美とメッセージの時をインターネット配信している。だが、田舎のクリスチャンたちは、そのような知識や資本が乏しく、礼拝に集えないことは直接、信仰生活に負の影響がある。識字率が高くなく、聖書を自分で読み続けることが困難なクリスチャンがたくさんいる。そういう方にとっては、集えないことは貴重な霊的食事の機会を失っている。
【祈祷課題】
▽感染爆発すると十分な手当が受けられず、命を失う人が多く出る可能性が高い。政府、特に保健省、カンボジアのWHOが地域に感染拡大しないよう知恵をもって国を守っていけるように。
▽クリスチャン一人ひとりが福音を伝えられるように、地域教会が地域の必要に答えていけるように。
▽カンボジアに残っている宣教師のために。病院やクリニックで奉仕している人がいるので、自身が感染しないよう注意していけるように。

写真上=村での教会学校の様子(コロナ以前)


写真上=村の魔除けの案山子