新型コロナウイルスの感染拡大で、クリスチャンアーティストは、コンサート活動ができない、予定されていた企画が中止・延期になるという厳しい状況に追い込まれている。そんな中、クリスチャンアーティストを支援しようという動きや、アーティストたちがネット上でライブ配信をするなどの試みが始まっている。その動きを追う。

被災地のキリスト教会・団体を通し、音楽やアートを通して復興支援活動をしてきた「東北応援団LOVE EAST」(岩渕まこと理事長、久米小百合副理事長)は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、復興支援活動をしてきたアーティストたちの予定が次々にキャンセルになっている状況を憂い、「クリスチャンアーティストサポート(CAS)」部門を設置。クラウドファンディングを開始した。
CASの設置について岩渕さんは、「これまで被災された方々に視点を向けて支援をさせていただいたが、今困窮されているアーティストの方々のほうに目を向けた時、今までボランティアとして出かけられたアーティストを支援させていただくのも『LOVE EAST』の責任と感じた」と語る。「LOVE EAST」に込められた思いは「いつ自分たちが支援される側にならないとも限らない」であり、新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)で「LOVE EAST」のあり方が問われているとも話した。
クラウドファンディングはCAS部門設置資金(支援資金、クラウドファンディング経費、事務費等)が目的。目標金額は150万円で、期間は3か月。形式は①シンプルサポート一口3千円(複数可)=リターン品を希望せず、CAS設置資金に賛同し支援。②CDリターンサポート一口5千円(複数口可)=協賛アーティストのCDから1タイトルをリターンとして届ける。選ばれたCDは定価の70%をアーティストへ支払う。
支援を受けるクリスチャンアーティストは、①主たる業務がアーティスト活動である人、②これまで一定の活動を継続してきた人、③これまで一定の作品を発表してきた人、と定義。支給は申請方式とし、支援対象は申請書に基づき審査。支援は一人上限5万円で、支援金の返済義務はない。当面は、「東北応援団LOVE EAST」に関わってくれたアーティストを支援対象とするが、条件がそろえば支援の範囲を広げていく。
岩渕さん自身も、7月まで予定されていたコンサートはほぼ中止。「仮に収束したとしても、集まることへの不安が解消されるのには時間がかかる。コンサート開催には事前の準備期間が必要なので、開催されるようになるのは早くても秋口か。今の段階ではそうなってほしいと願うばかり」と心情を吐露。「これをきっかけに、クリスチャンアートを守り、支えるという段階に歩みを進めていけたらいいなと思っている」とも語った。
CASについて、または支援希望者は東北応援団LOVE EASTのウェブサイトURL https://www.love-east.com/で。