世界の様々な環境運動や政策に影響を与えてきた米国発の国際的な環境運動「アースデイ」が今年4月22日に50年を迎えた。

東京で、多様な個人、団体とで活動を展開しているアースデイ東京は4月18、19日にオンラインで開催された。新型コロナウイルスに対しても様々な議論を展開。宗教者たちも参加し、祈りとメッセージを共有した。

 集会直前には実行委員長のC・W・ニコルさんが亡くなり、森林再生などの取り組みが振り返られ、「土と心に木を植えよう」という言葉が紹介された。

 集会は四つのチャンネル(メインステージ、ハローアースステージ、トークステージ、オンラインブース)でライブ配信。音楽やトークなど多様な内容があった。

 全体は「『場開きの祈り」で開始。神道、仏教、キリスト教の教職者がそれぞれのスタイルで祈った。トークステージには、福島県双葉郡双葉町の僧侶が登場。昨年ローマ教皇が来日した際の集会にも登壇しており、その模様が紹介された。人間は地球の一部、環境の一部であること、利己的な判断ではなく、慎ましい生き方をすべきことが勧められた。

 全体では、コロナ感染と絡めて、医療、健康、家庭、食、農業、里山、エネルギー(原発や核も含む)の問題なども話された。衛生的、心理的対処法とともに、何度か強調されたのは、地球全体の生態系や経済のあり方についての問いかけだ。

 新型コロナ感染の長期化や同様の感染症の再来が予想される以上、「単なる『経済の回復』ではなく、新しい経済生活へのシフトチェンジが必要」、貧困、格差、海洋汚染、気候変動など地球全体のあらゆる問題がつながっており、「『一国ファースト』や『お金』の最優先ではなく、命を重視する広い意味での経済(経世済民)が必要」という意見があった。

 里山をテーマにしたセッションでは、「リモートワークの定着で都市と農村の関係が変わる」「地域資源を生かした循環型経済が生き残る力になる」などと話された。

 参加したアーティストらからは「一国を超えた地球感覚が大事だが、すべてを知ることができないので想像力が必要。そこにアートの役割がある」などの言葉があった。

2020年5月10日号に掲載