6月5日は国連が定める「世界環境デー」だ。
気候変動、廃プラスチック、水問題など、昨年来「環境問題」がクローズアップされた。さらに新型コロナウイルス感染問題を受けて、地球環境や持続可能性、身近な自然に関心をもった人も多いかもしれない。
このような問題への取り組みを教会で継続的に実施する試みがある。
日本聖公会では、2011年から、6月5日に近い日曜日を「地球環境のために祈る日」と設定し、礼拝の中で祈りを捧げるなどしてきた。今年は7日に実施する。

聖公会では世界の主教らが協議するランベス会議で、1998年に宣教の5つの指標を作成。その5番目に「被造物の本来の姿を守り、地球の生命を維持・再生するために努力すること」とある。
日本聖公会では正義と平和委員会が担当し、関連して学習会を開くなどの活動も実施してきた。キリスト者や宗教者の環境ネットワークとも協力している。ある教区では省エネのための融資制度を備え、教会・牧師館のLED化や空調設備の更新のサポートに取り組み始めているという。
日本では2010年の時点で「地球環境のために祈る日」開催を総会決議していたが、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故を受けて、祈祷文を修正し、現在の文章になった。

祈祷文は以下の通り
【地球環境のための祈り】
天地万物を創造された主よ。あなたは、すべてのものを造られ、それらをご覧になり『よし』とされ、祝福されました。そして、その管理をわたしたち人間に委ねられました。しかし、東京電力福島第一原子力発電所による災害が示すように、わたしたちはあなたのご命令にそむき、自らの欲望を満たすために自然環境を乱用し、破壊さえしています。今、そのことの故に世界中の多くの人々が苦しんでいます。どうかわたしたちがあなたのご命令に立ち帰り、あなたによって与えられた自然環境を大切に保全し、後(のち)の世代のために残すことができますように。また、原子力発電所による災害など、環境破壊の被害者の苦しみを取り除き、わたしたちの生活を変え、自然と共に生きることができますように。そして、自然を通じてあなたが現されるご栄光を仰ぎ見ることができるようにしてください。
主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン
今年作成されたポスターにはロゴが表示され、「自然エネルギー100%」、国連で採択された国際目標、「持続可能な開発目標」(SDGs)の中から、「13:気候変動に具体的な対策を」、「14:海の豊かさを守ろう」、「15:陸の豊かさも守ろう」とある。

ブログ「日本聖公会管区事務所/総会の決議による主日」http://nskkshinse.blog116.fc2.com/blog-entry-165.html も参照。

【関連記事】
アースデイ50年 「元通り」の収束ではいけない ポストコロナの環境、経済問う2020年5月1日
「アースデイ」提唱者はクリスチャン 「地球に優しい」は神と人への愛2020年5月1日

環境問題は福音的な課題か? 第1回聖書的環境シンポで山口氏 「被造世界の回復の働きに参与を」2018年6月27日