緊急事態宣言解除後の教会・首都圏 礼拝、教会の価値を再認識

 5月半ばからの新型コロナウイルス緊急事態宣言解除を受け、礼拝・集会の再開を進める教会も増えてきた。前号では東京都の教会に状況を聞いた。今回は首都圏(埼玉、千葉、神奈川、山梨)の教会の状況を聞く。

 【千葉】

 ▽イエス・キリスト・ファミリー教会(四街道市)第一礼拝第二礼拝があるが5月31日から衛生、換気、座席の間隔に注意して第一礼拝のみ会堂で始めた。第二礼拝はライブ配信のみ。この日、創立記念日だった。礼拝のために作成したスライドをオンライン会議ツールZoomにも共有した。今後は第一礼拝と第二礼拝に人数を振り分けてやるなど工夫したい。高齢者や介護職、教員などは会堂礼拝参加に慎重だ。ネットに参加できない高齢者のため、礼拝音声を録音したCDを週報とともに届ける。聖書の学び会、役員会、海外から帰国した信徒の証し会などをZoomで共有した。

 3か月、実際の交わりが無い。創立記念のスライドを見ると、食事や賛美、集会など、どれも「密」な環境だった。それを取り戻したいと思うが、実際は難しく、寂しさがある。教会員の横の関係を取り戻すのが難しい。新しい生活様式、新しい教会生活を模索している。

 ▽日本長老教会・おゆみ野キリスト教会(千葉市緑区)「通常」からレベル3(緊急事態宣言発令)までの段階を分けた長期的な対応指針を作成し、修正しながら対応。礼拝は、奉仕者のみチャペルで実施しネット配信。ネットができない人は個別に対応した。5月24日に信徒総会をZoomやLINEを駆使して実施。ネットに慣れている人、慣れない人がいる。違和感がある人は電話でつないだり、説教原稿を届けたりしている。

 千葉県の施設使用停止要請の区分を参考に、6月7日から会堂礼拝を再開した。収容人数50%をめどに抑えた。平日の集会も同様の基準で再開。オンラインも併用し、聖餐式実施は会衆ごとに検討する。それぞれの教会員の霊的活力が失われないように。同時に外にも目を向けて必要なところに届いていけるように。教会の使命を果たせるよう祈りたい。

 ▽インマヌエル船橋キリスト教会(船橋市)映像配信での礼拝、祈祷会を実施。ウェブの使用が難しい人のためには、週報や説教原稿の要約を郵送。全員が一度に集まるのは難しいが、新しい生活様式とともに教会も新しい在り方を探っていきたい。この状況下でも地域社会に貢献すること、福音を伝えることを模索し、良い方向に開かれるよう祈りたい。

 

 【埼玉】

 ▽日基教団・大宮教会(さいたま市)緊急事態宣言発令により、4月12日から各家庭での礼拝に移行。教職だけの礼拝をネット配信している。この日に受洗予定者がいたが、礼拝再開まで待ってもらった。ネット環境が難しい人には、週報と説教原稿を郵送。6月7日は会堂で第一礼拝、第二礼拝のみ実施。祈祷会は11日、教会学校は21日から再開の予定。検温、マスク着用と手指の消毒、換気や早めの帰宅を促しながら気をつけてやっていきたい。

 ▽ホーリネス・坂戸教会(坂戸市)従来からホームページで説教音声を配信していた。5月から動画の配信も始めた。希望者にはCDを訪問して届けた来た。6月から、礼拝を5部制に切り替えた。8時から12時まで、35分の礼拝を会堂とコイノニアホールで5回実施。感染防止の座席を工夫し、消毒・検温・マスク提供などの衛生に注意し、毎回50人の定員で始めた。事前の説明の手紙により、分散出席がほぼ実現している。新しい形の礼拝の次は、祈り会、教会学校、各種の活動などを新しい形で順次始める。

 

 【神奈川】

 ▽カンバーランド高座教会(大和市) 宣言解除後の日曜日も今まで同様、録画した礼拝の動画配信を行った。6月末くらいから会堂での礼拝再開を検討しているが、人数制限が必要。一部の人だけ集まってもらい、基本的には動画配信による自宅礼拝を続けるか。4月以降、電話による問安を続けている。自宅礼拝は受け入れられてはいるが、一時的だから、ということもあるだろう。やはり、会堂での礼拝再開を望む声は高まっている。これからは、今まで普通にやってきたことをひとつずつ吟味し、本当に必要なものを識別する知恵が求められていると感じる。

 ▽日基教団・横浜指路教会(横浜市)6月21日から、会堂での礼拝再開を決定。居住地域ごとに教会員を三つに分け、日曜日に3回礼拝する。賛美歌も歌詞を朗読するなど簡略化し、45分程度で。音声配信は再開後も行う予定。動画配信はしていない。自宅礼拝の期間、音声や説教原稿で御言葉を味わった一方、集まれることの幸いも感じた。みな再開を心待ちにしている。再開しても、不安があれば、自宅での礼拝を続けてもらう。今後、教会の会議の仕方などは変わるだろうが、集まって捧げる礼拝は変わらない。今も家庭で分散して礼拝しているとのこと。ネットで礼拝ができるとは考えていない。

 ▽大和カルバリーチャペル(大和市)3月22日からはYoutubeで動画配信のみで礼拝していた。5月17日から会堂礼拝再開。県内在住者のみ、などの制限を付けた上で、予約制とし、日曜日に4回。座席指定をし、間の時間に消毒、換気。2週目からは、開場時間を定め、入れ替わりの人の接触をなくした。信徒奉仕者は入れず、教会スタッフのみで会場整理をした。緊急事態宣言の解除前での礼拝再開は、教会として決断した。この間、次の礼拝をどのように行うかは、教会内で議論して、毎週苦渋の決断を行ってきた。長期的な見通しは難しいが、まず毎週の礼拝に注力したい。「マイナスは必ずプラスになります!」と宣言している。

 ▽JECA・本郷台キリスト教会(横浜市) 解除宣言直後の礼拝は、オンラインのまま行った。14日からは、ネット環境の無い人は、教会のチャペルでビデオ礼拝を行う予定。その後は、状況を見ながらの判断になる。人数を制限しながらでも会堂での礼拝を再開したいが、実施は7月に入ってからか。別室の用意、4回ある礼拝ごとの消毒、換気などが必要。再開しても、可能な人には自宅礼拝を推奨することになるだろう。オンライン礼拝は今後も継続する。それを会堂での礼拝とともに、プラスに生かしていけるよう、特別な取り組みが必要だろう。これからは、そこに予算、人材を投入することも考えている。

 

 【山梨】

 ▽JECA・甲府キリスト福音教会(甲府市)5月31日から会堂での礼拝を再開した。出席は通常の約3分の1、6月7日は約2分の1。7日から聖餐式を衛生に注意して再開した。礼拝出席については、教会員それぞれの事情を尊重、配慮して対応する。高齢の方も、「今後礼拝に行けなくなったときの準備になった」ととらえた。高齢者でスマホやタブレットを使い礼拝に参加できる人も多い。

 役員会を実施し、今後、半年、一年現在の状況が続くことも予想される中、教会の活動の在り方を見直した。今まで教会に来てもらう伝道だったが、ネット礼拝を、信徒が家族や知人に紹介するということもできている。会堂に誘うだけでなく、一人ひとりがそれぞれの場でできることを勧めたい。聖餐の意味について学び直したいという要望があり、週報にコラムを掲載した。オンラインでの聖餐式も実施した。交わりが課題。祈祷会にZoomを導入し、今まで参加していなかった人も参加できるようにするなど、この状況を積極的にとらえ、一歩進めていきたい。会員が月定献金を忠実に献げくださっていることに感謝。振込献金も用いられている。今まで漫然と続けてきたことが、本当に必要かどうか吟味を加えていきたい。