女性・人権支援センター「ステップ」 社会貢献支援財団から表彰
長年、DV被害者を守る働きと共にDV加害者更生プログラムも行い、多くの夫婦を回復させてきたNPО法人「女性・人権支援センター ステップ」(以下ステップ、栗原加代美理事長)は、その社会貢献度が認められ、安倍晋三首相の妻、昭恵氏が会長を務める公益財団法人社会貢献支援財団から、社会貢献者・団体に選ばれた。8月24日、帝国ホテルで開催された第54回社会貢献者表彰式典で表彰された。栗原氏は「39組の団体・個人のうちの一つに選ばれた。私どもの働きが世の中で認められたのが本当にうれしい」と喜んだ。
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コロナ禍でのDVの状況について聞いた。ステップでは、新型コロナ感染が拡大し始めた3月から1か月以上、相談を休んでいたが、4月中旬からZoomでの相談を開始。「Zoomのおかげで、関東近辺だけでなく日本全国、海外にいる駐在員からも相談来ている」と話す。また、「相談が昨年の同じ月の4~6倍増えた」と語る。「DV行為は夫婦が一緒にいる土日に多くなるが、ステイホームの今は毎日が土日。常に一緒にいるので、暴力行為に及ぶ機会が増える。緊急事態宣言が解除され、夫が会社に行くようになった6月以降、ずっと我慢していた妻からの相談がぐっと増えた」
「妻がDV加害者になるケースが増えた」とも言う。「夫がいつもいるので忙しくなる。何も手伝わない夫にイライラし、つい夫に、子どもに怒鳴ってしまう。『私、もしからしたら加害者かも』という人からの相談が増えた」
そういう人には「マイナスでなく、プラスの解釈をするように」とアドバイスすると話す。「いつも批判されていると思うと怒りが生ずる。しかし、相手が苦しみを訴えていると受け止めれば、傾聴できるようになる。何らかの理由があるのだから、そのことを認めてあげましょう、とお伝えしている」
また、「自分の手に負えないときには、教会に行きましょう」と勧めたり、御言葉を自分なりにかみ砕いて伝えることも。「子育ての場合は、『子どもは神様が育ててくれますよ』と話す。すると、『その言葉に励まされた』と言ってくれる方がいる。あるいは妻と会えない夫には、『神様のなさることは時にかなって美しいから、必ずよくしてくださる』と。時々、神様を出し、聖書の言葉をちりばめています」と笑顔で語った。