コロナ禍の国家朝餐祈祷会 第20回開催 この時期だからこそ祈りを 十字架語らずしてキリストの平和はない

挨拶をするヤッファ・ベンアリ氏(右)

新型コロナウイルス感染者が連日300人を超える東京で11月17日、「第20回国家朝餐祈祷会」(一般社団法人日本CBMC主催)が、新宿京王プラザホテルで開催された。テーマは「キリストの平和を求めて」。同祈祷会は今年3月開催の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大のため延期。中止も検討されたが、「こういう時期だからこそ国家の指導者のためにとりなすことが重要だ」と考え、人数制限など感染防止対策をしながらの開催となった。今回は初めてオンライン中継も行われ、その映像は国内だけでなく、韓国、香港、シンガポール、インドなど世界各地に配信された。【中田 朗】
最初に主催者代表の青木仁志理事長が挨拶で、日本CBMCが10月30日に一般社団法人化したことを報告。「これまで任意団体として活動してきたが、これからのビジネスマン伝道を考えた時、社団化したほうがいいと考えた。神様を第一にし、教会を支え、しっかりと活動できるクリスチャンビジネスマンを育てていけるよう活動していきたい」と抱負を語った。

挨拶をする石破茂氏

来賓からは、駐日イスラエル大使のヤッファ・ベンアリ氏、石破茂衆議院議員が挨拶。ベンアリ氏は「新型コロナ感染が世界にもたらしたのは、経済、政治、人類が持っている強靭(きょうじん)性にダメージが与えられたことではないか。だが、この問題に対処する中で気づいたのは、解決は身近にあるのだということ。それは互いに信頼し、互いに持っている知恵を分かち合い、一緒に対処していくことだった。また、個人や社会の生活にデジタル変革が訪れようとしている。この新しいシステムに対応していくのはなかなか難しい。しかし、この技術や知恵に関しても、イスラエルと日本は互いにシェアできる。一緒に集まり、互いに助け合う精神をしっかり持ち続けていってほしい」と話した。
石破氏は、賛美歌191番が好きだとも明かした。「世の中は常に争いの連続で、批判、非難を受けることも多い。しかし、賛美歌191番の歌詞のように、神様が絶えざる祈りを聞いてくださって、涙に代えて歌をくださる。それはどんなに素晴らしいことかと思う」

メッセージをする細井眞氏

「今、この国は1年間で50万人、人口が減っている。2040年には1億1千万人となり、高齢者の数も高齢化率もピークになる。介護にかかる費用は2・4倍、医療費は1・7倍だ。社会が支えていけるはずがない」と、日本の現状への懸念も示し、「このままだと次の時代、とんでもないことになる。誰がどんな役割を果たすべきか、正面から語っていかなければならないと思う」と述べた。
メッセージは細井眞氏(アセンブリ―・十条キリスト教会牧師)。細井氏はコロサイ3章から語った。「ここでは父なる神、主イエス・キリストと結びつけて語られている。まさに十字架を語らずしてキリストの平和はありえない」
「主イエス・キリストを通して、聖霊様が共におられることを認めながら歩んでいく時に、主がキリストの平和を実現してくださる。私の父は戦争中、捕虜となった。そんな中、クリスチャンのフィリピン人兵士からご飯を分けてもらった。それがきっかけで、父は復員船に乗って帰国後に教会を訪ね、信仰を持ち、やがて牧師になった。クリスチャンの小さな行為がキリストの平和に結びついた。皆さんも、キリストの平和をもって人々に仕えていく者になりましょう」と語りかけた。

政治、経済の祝福などを覚え6人が代表祈祷した

代表祈祷では、峯野龍弘氏(淀橋教会主管牧師)が「自然災害とコロナ禍」、栄子スティーブンス氏(一般社団法人オメガ・ジャパン創立者)が「エルサレムの平和」、増山浩史氏(21世紀キリスト教会主任牧師)が「日本のリバイバル」、山川百合子衆議院議員が「政治」、遠藤正一氏(ロングライフホールディング取締役)が「経済の祝福」、井上義朗氏(日本CBMC理事)が「アジアの一致」のため、代表祈祷した。
その他、歴代理事長の米田昭三郎氏、杣浩二氏のメッセージ、ラ・エッセンツァの特別賛美があった。