クリスマス特別号紙面:大宮溥氏 JBS理事長として最後のメッセージ 破れの中でもキリストの愛で前進できる 聖書協会クリスマス礼拝 YouTube配信
大宮溥氏 JBS理事長として最後のメッセージ 破れの中でもキリストの愛で前進できる 聖書協会クリスマス礼拝 YouTube配信
一般財団法人日本聖書協会(JBS)=具志堅聖総主事=は11月6日、「聖書協会クリスマス礼拝」を、東京・中央区銀座の日基教団・銀座教会で開催した。例年は12月上旬に開いているが、コロナ禍の状況を鑑み、理事、評議員、職員など関係者のみ参列の非公開方式を採用。待降節以降にJBSのYouTubeチャンネルで動画配信するため、1か月早いクリスマス礼拝となった。
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第一部の礼拝式では、JBS理事長として最後の公的行事となる大宮溥氏がルカ2章8~16節から「飼い葉桶の救い主」と題して奨励。「イエス・キリストは天的起源のもとに誕生されたが、生まれた時は産着にくるまり、飼い葉桶に寝ている乳飲み子だった。これはキリストが『自分を無にして』死ぬべき人間と同じ状態に身を落とし、苦難の死を遂げられたことを示す。さらに十字架の死から3日目によみがえり、そのいのちを我々人間に与えられた。これにより人間は死んだ状態からいのちにあふれた状態に高められた。2020年のクリスマスを前に、私たちは様々な破れ、困難に覆われている。だが、私たちはこのキリストの愛に生かされ、希望をもって前進していくことができる。『いと高きところには栄光、神にあれ 地には平和、御心に適う人にあれ』(14節、協会共同訳)と歌われる祝福をいただいて前進していきたい」と語った。
第二部では、第31回聖書事業功労者賞表彰式が行われた。受賞者は和田幹男氏(カトリック大阪大司教区司祭)で、JBSが発行した『聖書 新共同訳』および『聖書 聖書協会共同訳』の翻訳者・編集委員、検討委員として貢献したこと、多年にわたる聖書の研究、大学教育、司牧活動を通し我が国における聖書理解の普及に努めたことが評価された。和田氏は骨折で入院中のため、松浦信行氏(カトリック大阪大司教司祭)が代理で表彰を受けた。
松浦氏は和田氏のメッセージを代読。「新共同訳の時に『イエス』か『イエズス』かが大問題になった。私はカトリック大阪教区の司祭研修会で、プロテスタントの人々が『イエズス』と呼ぶ苦しみを味わうより、私たちカトリックが『イエス』の呼び名を受け入れ、自分たちでキリスト教一致の障害を取り除こう、日本の教会にイエスの二つの呼び名が存在するのを我々の世代で終わらせよう、と協力を求めた。司祭方は拍手して賛同してくれた。新共同訳同様、協会共同訳もプロテスタント、カトリックの垣根を越えて用いられていくことを願ってやまない」と語った。
また、1991年12月に理事、96年12月に理事長に就任、東京大聖書展(2020年)、日本プロテスタント宣教150周年記念大会(09年)など歴史的なイベントに尽力してきた大宮氏の理事長退任を受け、大宮氏に花束と記念品が贈呈された。大宮氏は「総主事だった渡部信氏と共にいちばん長く任に当たらせていただいたが、その間に新しい聖書が与えられたことに感謝している」と語った。
第一部、第二部の模様はJBSのウェブサイトURL https://www.bible.or.jp/で視聴できる。