『聖書を知ると英語も映画も10倍楽しい』発行記念 字幕で信仰を伝えた半世紀 「小川政弘氏出版記念オンライン講演会」開催

元ワーナー・ブラザース映画製作室長、小川政弘氏の著書『聖書を知ると英語も映画も10倍楽しい』(いのちのことば社刊)の発行を記念し、「小川政弘氏出版記念オンライン講演会」(いのちのことば社編集局主催)が1月23日に開催された。

自著を片手に講演する小川氏(右端)

「映像翻訳と共に~字幕翻訳で信仰を伝えた半世紀~」と題した講演では、字幕翻訳の世界に入った経緯や、聖書との出会い、字幕翻訳制作の具体的な事例などが写真や動画を交えて語られた。
いくつかの作品のシーンを題材に、聖書の知識がないことで誤訳になってしまった例などを紹介。1回の字幕表示の文字数は長い歴史の中で、観客が一度に読みきれる26字以内に落ち着いたという話など、興味深い話題が次々と飛び出した。
また、字幕翻訳者に求められる資質として、「美しい日本語」を第一に挙げた。英語の会話の情報量を凝縮して日本語に変換するため、日頃から端的であっても美しい日本語を蓄えることが大切だとも話す。
そのため小川さんは、よい映画だけでなく、良質の小説やドラマからも言葉を吸収することに努めたと振り返った。
現在、元の職場にはクリスチャンの字幕翻訳者がいないため、ぜひクリスチャンがこの世界を目指して欲しいとの希望も語った。
講演の1時間が短く感じるほどの濃い内容で、アンケートでは「もっと聞きたい」という意見が数多く寄せられた。当日は50人以上が日本各地から参加し、講演後、チャットに書きこまれた質疑への応答の時間も充実した内容となった