講演Ⅲ「海外宣教」佐味氏(下) 激しくなる迫害下で宣教は進む 第23回断食祈祷聖会2021⑤

断食祈祷聖会2021」(同実行委員会主催)が1月11、12日に開催。今年はコロナ禍のためオンラインで開かれ、「開拓伝道」、「児童虐待と家庭形成」、「海外宣教」、「ラディカル・リベラリズム」の四つの講演が行われた。2日目の講演Ⅲでは、OMFインターナショナル日本委員会総主事の佐味湖幸氏が「海外宣教」をテーマに講演。今回はその続き。【中田 朗】
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宣教のゴールについて、教会が宣教のビジョンを持つことの大切さなどについて語った後、現在の世界宣教の状況について説明した。「20世紀後半から中南米、アフリカで宣教の業が進んだ。現在、アフリカ大陸、特にサハラ砂漠の南では、本当に多くのクリスチャンがおり、世界の福音派の3分の1はアフリカ大陸にいると言われている。中南米やアフリカの国々は宣教師を受け入れる国々だったのが、送り出す国々に変わりました」
「一方、福音が十分に伝えられていない未伝の国や地域も多くある。ジョシュアプロジェクトという団体は、未伝の地を▽全く福音が伝えられていない、▽自らのグループ・民族内で福音宣教のため外からの助けが必要、と定義している。宣教学的には、福音的なクリスチャン人口が全体の2%以下、クリスチャンだという人が5%以下なら未伝地域だ。日本民族は世界で2番目に未伝人口の大きな民族だと言われている。世界には1万7千以上のピープルグループがあり、うち7千400以上で福音宣教が十分になされていない状況だ。特に北緯10~40度の地域で宣教が急務だと言われています」
「特にアジアは福音宣教が遅れている」と指摘。「アジアでは10人のクリスチャンでない人が集まったら、クリスチャンを知っている人は一人しかいないが、中南米や他の地域では10人集まれば8人が『友人や家族にクリスチャンがいる』と言う。その差は歴然としている。OMFが活動している東アジアでは、6億6千700万人が福音を聞けずにいると言われています」

(この後、世界の迫害の状況について語ります。2021年2月28日号掲載記事)