[レビュー3]『パウロの言葉100選』『タクマカフェ』『ハンディー・コンコルダンス』『主の祈り霊想・講解』『ふり返る祈り』
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」「愛は忍耐強い」…『パウロの言葉100選』(河合裕志著、日本キリスト教団出版局、千650円税込、四六判)の著者は「パウロの今も生き生きと語りかけて来る、その言葉、信仰と思想、生き様に親しく接して」と言う。ローマ、コリント、ガラテヤの4書簡から100の言葉を抜き出し、メッセージを添える。通読にも使えるが、目次を見て気になる言葉に触れることができ、入門者にも役立つ。
『タクマカフェ Youthのためのデボーション・ブック』(日本ホーリネス教団出版局編・発行、千650円税込、A3判)は4月から始まる中高生向けの聖書日課。旧新約のピックアップや主の祈り、使徒信条、十戒といった教理、ローマ人への手紙やルカの福音書の通読など様々なシリーズを配列。マンガも織り込む。30人以上の執筆者が中高生に親しみやすい話し言葉でまとめた。
アプリや検索ツールなど聖書関連の様々な道具が開発されているが、手元でパラパラ開き一覧できる『ハンディー・コンコルダンス[聖書 新改訳2017]』(いのちのことば社出版部編、いのちのことば社、千650円税込、B6判)は便利。2千901の見出し語、のべ1万9千989の聖句を収録する。
『私なりの「主の祈り」 主の祈り霊想・講解』(赤江弘之著、いのちのことば社、千870円税込、四六判)の著者は、チャーチスクールや高齢者ケアなど包括的に宣教を進めている岡山県の教会で長らく牧会。「主の祈り」の言葉一つ一つを吟味し、信仰、牧会、宣教の歩みを振り返る講解説教だ。明確な教理的理解、異文化への宣教的・弁証的視点、社会で生きる信仰者たちへの励まし、臨在信仰がある、と同書に「推薦のことば」を寄せた牧師は指摘する。
「恐れるな」「信じなさい」「赦しなさい」。聖書の真理をまっすぐに受け止められない人間の心の機微がある。『ふり返る祈り 神に問い 耳を澄ませる』(斉藤善樹著、いのちのことば社、千320円税込、B6)は、牧会カウンセリングに造詣が深い著者が、神への様々な問いかけを共に考えていく。そこには人間の普遍的な弱さと日本や現代社会特有の生の課題があった。
☆☆クリスチャン新聞で紹介した様々な書籍の書評はこちら