「2・11信仰の自由の祈りのつどい」で瀧浦氏 「愛の原則で国家を評価し祈り聖書に忠実で堅実な宣教を」

2・11信仰の自由の祈りのつどい(信仰の自由ネットワーク主催)が2月11日、神戸市の神戸神学館からオンライン配信で実施された。
冒頭でウディー・ラウア宣教師(米国正統長老教会)がヘブル10章21〜29節からメッセージ。22、25節から「礼拝に集まることをやめてはいけない」と強調し、「『罪にとどまり続け』(26節)、習慣的に礼拝をやめることはさらに問題だ」と述べた。「初代教会は国家から激しい迫害があった。キリスト者は、通常ならば政府に従う義務があるが、もし政府が命じていることが罪であるならば神に従うべき。コロナ禍ではZoomなどで礼拝開催を対応するが、礼拝堂のドアを閉めたら、訪れようとしていた人が神への礼拝の義務を果たせなくなる」と注意を喚起した。
続いて講演や報告があった。瀧浦滋氏(神戸神学館長)は「国家神道からの脱却のために:王としてのメシア」の題で話した。まず十戒から神への愛と隣人への愛への戒めを確認し、日本における「国家神道機軸の国家観との闘い」の課題を提示した。「抑圧的な道徳を正当化し、真実を無視する混乱が避けられない。キリスト者はキリストの王権の教えを確認したい。日本でキリスト者の数はわずかだが、愛の原則で国家を評価して祈り、聖書に忠実で堅実な宣教をし、キリストに仕える霊的な革命を起こしたい」と励ました。
次に「過去の悔い改めのために:渡辺信夫牧師追悼」の題で歴史科教員の荻欣也氏(福音聖書公友会昭和聖書教会員)が語った。昨年亡くなった日本キリスト教会牧師の渡辺信夫氏を振り返り、①課題を教え続けてくれた、②体を張って課題に取り組み応答した、③近代以降の日本の在り方を悔い改め、アジアの人々と連帯した、④戦争責任と平和に尽くした、と業績を振り返った。「渡辺氏自身が戦前の反省から戦後、猛烈な学びと実践をした。靖国神社国営化闘争にも取り組み、神の国に生きた。教会はアジアとの歴史問題について『いろいろあった』くらいで済ませていないか。過去を肯定・美化する勢力が広がる中、歴史の真実を学び、愚直に証ししていきたい」と話した。
君が代訴訟などに取り組む公立学校教員の奥野泰孝氏(単立・芦屋福音教会)からの報告もあった。国家権力はあからさまに宗教弾圧はしないが、教育現場で国旗掲揚国歌斉唱が強いられ、「実質信教の自由の問題がある」と明かした。①社会で天皇制の真実を明らかにする議論ができるように、②公立学校の中でもキリスト者が堂々と信仰を表明できるように、③天皇制が信仰の自由にかかわることを教師、政治家が認識できるように、④君が代訴訟の勝利があるように、と祈りを要請した。
講演報告に応答し、瀧浦祈平氏(改革長老岡本契約教会牧師)が、①教会がますます主に忠実になるように、②教会が人に従うよりも主に従うように、③教会がその信仰と愛の証しを揺るがされずに証しできるように、と勧めた。その後のパネルディスカッションや祈祷では、聖書信仰の重要性、コロナ禍での礼拝実施の状況、アジアの信教の自由などについて触れられた。