※2016年記事を再掲します

防災フェスタに500人超 熊本地震で関心高まる 首都圏大震災に備える 教会ネットワークづくり32

 熊本地震から1週間後の4月24日、Shinjuku Okubo Street(SOS)教会防災ネットワーク(以下・SOS)主催による「防災フェスタ2016」が、東京・新宿区百人町の淀橋教会で開催された。協力は新宿消防署・消防団、新宿区危機管理課、救世軍、町内会。今回の防災フェスタ開催は、これまで各地域で地道に取り組んできた教会防災ネットワークづくりの一つの結実と言える。

当日は、熊本地震発生の影響が出た。一つは、救世軍の参加ができなくなったこと。熊本の被災地支援のため人手不足で難しくなったためだ。予定されていた救世軍給食車での非常食の試食も、中止になった。
当日配る予定だった新宿区の備蓄水も、すべて熊本の被災地に回したため、代わりにティッシュを配ることになった。すでに熊本支援を行っている特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンが急きょ、熊本地震のための募金をすることにもなった。

一方、熊本地震で防災に対する関心が高まったのか、参加者はのべ500人を越えた。教会の前庭で行われた煙体験、起震車による震度7の地震体験コーナーは、親子連れや若者が絶え間なく訪れ、ハラハラドキドキしながら煙と揺れを体験。「怖い!」と悲鳴を上げながらテーブルの脚に必死にしがみついていた。「一体、何をしているんだろう」と、通りがかりの人も続々入ってきていた。

消防車前での防護服試着体験コーナーは、火事で消火活動をする時に着る防護服を着、消防車の助手席に座って記念撮影をする親子が絶えなかった。玄関前では消防署・消防団が小型ポンプによる放水訓練、消化器訓練が行われ、子どもや大人が真剣な眼差しで放水を体験していた。

東玄関を入ったロビーでは、新宿消防署による応急・救護訓練が、西玄関ロビーでは通報訓練が行われた。消防署員の指導で、子どもたちが真剣な眼差しで心臓マッサージをしている姿が印象的だった。さらに礼拝堂につながるロビーでは、SOSメンバーの河野信一郎さん(バプ連盟・大久保キリスト教会牧師)が段ボールで簡易トイレ作りを実演。たちまち、人だかりができるほどの盛況だった。そのほか、防火グッズの展示・斡旋、防災映像、パネルの展示もあった。

礼拝堂では防災セミナーが行われ、防災士の栗原一芳さん(クラッシュジャパン次期東京災害対策・防災士)が「首都圏に備えた教会防災ネットワーク」をテーマに講演。新宿消防署の署員が「“東京防災”ブックに学ぶ防災心得」について話した。 【中田 朗】

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熊本地震から5年を迎えるこの週、クリスチャン新聞オンラインでは、地震発生当時の初期約1か月の報道を振り返ります
記事のリストはこちら → シリーズ「熊本地震から5年」を掲載 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=31229
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