「香港の民主化運動と信教の自由」テーマに松谷氏 終焉に見える民主化運動 でも どれだけ息長く戦えるか

反逃亡犯条例運動:2019年10月撮影

 

「国家や政治の課題を、神学的に研究すること」を目的とする「教会と政治」フォーラムの第21回例会が4月23日、Zoomによるオンラインで開催。松谷曄介氏(金城学院大学宗教主事・准教授、日本基督教団牧師)が「香港の民主化運動と信教の自由」と題して講演した。
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松谷氏は2013年から16年まで、日本学術振興会の海外特別研究員として、香港の中文大学・崇基学院で在外研究をしたが、その時に雨傘運動を目の当たりにした。「信仰的にもあの時が私自身の一つの転機だった」と振り返る。また、19年6月の逃亡犯条例改正反対運動の時にも学会の参加と教会での奉仕で香港におり、デモ行進に参加した経験を持つ。
最初に、1984年の中英共同声明、89年の天安門事件、97年の香港返還を香港の民主化運動の契機として挙げつつ、「一国二制度」の香港には「自由があるが民主がない」現状を説明した。「香港は植民地だったので、昔から自由な民主主義があったわけではなった。だが、イギリスの法律に守られながら、市民社会のいろんな自由は守られていた。それは中国大陸に主権が移り、一国二制度になってからも続いた。しかし、民主派はイギリス統治時代から、民主主義の確立がなければ自由は危うい、大陸みたいにならないために民主主義を確立しなければ、という意識があった」

(この後、民主主義確立のための運動をたどり、今後の課題を語ります。2021年5月9日号掲載記事

講演する松谷氏(左)