ミャンマー現地状況 元日本留学生に聞く 道徳価値で  地の塩、世の光に

引き続き市民と軍政府の間で緊張した状況が続くミャンマー。民主派は4月16日に「国民統一政府」(NUG)を樹立して、国際社会に訴えかけ、軍政府代表が出席したASEANにも圧力をかけ、軍政府の暴力を批判する声明を引き出した。だが軍による市民の弾圧は続き、市民側でも武装勢力が軍の拠点を攻撃するなどしている。

日本に留学経験のあるクリスチャンのミャンマー人研究者ネヘミヤさん(仮名)に現地の状況を聞いた(4月27日)。大学での研究者をめざしていたネヘミヤさんだが、「クーデターで道が閉ざされている。未来の見通しは厳しい」ともらす。そのような中、市民やクリスチャン、日本の役割に期待を抱いている。

 

 −現在、ミャンマーの情勢、日常生活はどのようになっていますか。

クーデター以来、状況は日々悪化しています。軍は2月末までに手榴弾、爆弾、実弾、致命的な武器の使用を開始しました。残忍な取り締まり、家屋の襲撃、抗議者、政治指導者、その他の一般市民の拉致は、国のあらゆる場所で毎日行われています。現在のところ、情報筋は753人の罪のない人々が殺され、4千484人が逮捕されたことを確認しました。

しかし、その一方で、人々は様々な技術を使って様々な形で軍事政府に抗議し続けています。早朝の抗議、夜の抗議、昼間の抗議をさまざまな形で見ることができます。私たちは、抗議運動、CDM(市民不服従運動)などの利用可能なすべてのツール、戦略を使い、連邦議会代表委員会(CRPH)を支援し、軍事政府の計画をボイコットしています。

軍はモバイルデータ、ワイヤレスブロードバンドを遮断し、ファイバーネットワークのみが午前9時から午前1時までの限られた時間内にインターネットにアクセスできます。軍は、政府の官僚機構のほんの一握りしか管理できません。大学、公立学校、病院は軍事評議会の下では機能していません。銀行システムは人々の需要を供給することができず、金融システムは憂慮すべき段階で混乱しています。

(この後ネヘミヤさんは、活動状況、日本政府への期待、現地の教会とクリスチャンの状況、祈りの課題を訴えます。2021年5月23日号掲載記事