【ペンテコステ特集】どんな状況でも主は働かれる ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師 井野 葉由美

 

 

どんな状況でも主は働かれる

ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師 井野 葉由美

その昔、ドイツでは、キリスト教会は町のコミュニティーの中心でした。現在でも、至る所に十字架を掲げた教会が建っていますし、国民の祝日の大半は、キリスト教に由来するものです。しかし、現代の人々の心は科学と世俗主義に傾倒していて、まことの神から離れています。教会は、冠婚葬祭を司る機関になっていて、イエスを個人的な救い主として心に受け入れ、日々、主と生きた関係を持つクリスチャンは、ほんのわずかとなっているのが現状です。
国家の税金で教会を運営するという国教会システムは安定をもたらしましたが、逆に信仰の形骸化を招いてしまいました。国教会システムでは、教会の区域内に生まれれば自動的に幼児洗礼の案内が届き、一定の年齢になれば、堅信礼を経て自動的に教会員となります。信仰の有無は問題となりません。そういうシステムですので、彼らにとって宣教とは、アフリカや南アメリカの未伝地に行くことであり、自国民に伝道するという意識はありません。近年、「信じていないのに、教会税を払う必要はない」と、正式な手続きを経て教会から脱会する人が後を絶たず、教会税の収入が減っています。そのため、一人の牧師が複数の教会を掛け持ちしたり、会堂が売却されたりしています。そのような中、イスラム圏からの移民が多いので、モスクはどんどん建設されており、近い将来、ドイツはイスラム教国になるのでは、と危惧されています。ドイツは今や宣教されるべき国となっているのです。

距離を取って屋外で礼拝
場所を借りているドイツ人教会内での礼拝

(この後、コロナ以降の教会の状況、思わず訪れた宣教のチャンスが語られます。2021年5月23日号掲載記事