『友だちのSNS投稿が気になる』『ネット礼拝ってダメ?』…。進路や恋愛、人間関係、高校生の悩みのテーマは変わらないが、言葉や社会は変化する。『新・それってどうなの!? Q&A 高校生クリスチャン・ライフ篇』hi-b.a.高校生聖書伝道協会著、いのちのことば社、千100円税込、B6変)は現代ならではの視点や切り口で、川口竜太郎水梨郁河両現役hi-b.a.スタッフが答える。「正解」を即答するのではなく、悩みを受け止め、本質を解きほぐし、エピソードや聖書の言葉を交えたショートメッセージになっている。


消費社会論、メディア論、世俗化論の分析は、インターネットプラットフォームに囲まれた現代世界を考える際にもヒントになると思われるのが『ポストモダンの宗教、消費主義、テクノロジー ジーザス・イン・ディズニーランド』(デビッド・ライアン著、大畑凜・小泉空・芳賀達彦・渡辺翔平訳、新教出版社、3千850円税込、四六判)。ディズニーランドで伝道集会をする教会について、「消費社会に受け身で惑わされている」とは単純に断罪しない。むしろ、ポストモダン社会における宗教の在り方の象徴として描写する。脱組織化した様々な宗教的心性に注目する視点は、日本の文脈では『宗教と日本人 葬式仏教からスピリチュアル文化まで』(岡本亮輔著、中公新書、902円税込)にも通じる。ライアンは、様々なものが横並びになるポストモダンの中で、キリスト教の可能性として「被造物への配慮と隣人愛」を挙げ、「キリスト教世界の終わりは権力の誘惑を根本的に破壊し、再び語られるべき古き物語(ストーリー)のための空間を切り開く」と語る。


キリスト教と日本社会の衝突、あるいは土着化を考える際、キリシタンの歴史が参考になる。『キリシタン歴史探求の現在と未来』 (川村信三編、キリスト教史学会監、教文館、2千640円税込、四六判)だ。同学会におけるキリシタン関連の発表はある時期をピークに減少している。一方で、民俗学、社会学、政治学、思想史学など様々な知見を活用し、既存の史料の再解釈が進んでいる。様々な角度からの研究は、迫害や殉教の「美談」だけではない多様なキリシタンの実像を浮かび上がらせ、現代日本に生きるキリスト者にも問いを突き付ける。

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