土石流が起きた静岡県熱海市の伊豆山地区で支援活動を行っている特定非営利活動法人オペレーション・ブレッシング・ジャパン(OBJ)は、7月12日から被災者のために臨時で無料運行バスを出す送迎サービスを開始した。

現地の女性高齢者を介助しながら送迎バスに乗せてあげるOBJスタッフ

伊豆山地区は、高齢化率が47・8%と静岡件内でも突出している地域。日頃から多くの高齢者が路線バスを利用し、買い物や通院をしてきたが、現在、バスが運休、または本数が大幅減少している。交通手段を絶たれ、行動が著しく制限されている高齢者や体が不自由な人からは「かかりつけの病院に薬を取りにいけない」「備蓄していた食料が切れそうだ」などの切迫した声が聞かれた。そこでOBJは、被災地域の仲道自治会と協力し、湯河原駅と熱海駅方面を自由に行き来できるバス送迎バス支援を開始した。
まず、送迎サービスのチラシを弁当と共に地区の住民に配布。希望者からの電話連絡を受けて直接自宅に迎えに行くという仕組みで、希望者が出かけたい時にすぐ利用できるよう、電話連絡に応じて臨時運行する。湯河原と熱海方面のスーパーや病院を経由するルートで、利用者は途中で降りて病院や銀行に行ったり、スーパーで買い物ができる。
「現地では水や電気といったハード面の復旧は着実に進んでいるが、被災者の生活復旧には中長期的な支援が必要だ。すでに始まっている一時帰宅では、重い荷物を担いで坂や階段だらけの住宅地を行き来する高齢者の姿も多く見られる。OBJは、一人ひとりの生活のニーズに応じた送迎サービスと並行し、一時帰宅する被災者の荷物の運び出し支援を行い、少しでも多くの被災者が一日も早く日常を取り戻せるよう取り組んでまいります」とスタッフは語る。
問い合わせは、Eメールwatanabe@objapan.org、Tel080・6042・1566、担当・平井まで。
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OBJは、大規模な土石流が発生した翌日の7月4日に緊急災害支援チームを派遣し、現地調査と並行し緊急支援活動を開始。市内の避難所や福祉施設へ支援物資を配布してきた。また、在宅避難者支援として飲料水・衛生用品・生活用品の提供、菓子パン・野菜ジュース・弁当を手配し届けるなどの支援を行ってきた。ホテル避難所からの一時帰宅が始まってからは、一時帰宅者の荷物運搬支援も行った。ウェブサイトURL https://objapan.org/

喜ぶ現地の女性高齢者