練習風景。「足跡の消えた女」のワンシーン

東京・練馬区、豊島区を中心に、演劇や語りの会、朗読教室、各種ボランティア活動を続けている劇団「千夜一夜座」は8月31日、三浦綾子の短編三作品「貝殻」「壁の声」「足跡の消えた女」を舞台化した第14回演劇公園「ふたしかでたしかな」を、西武池袋線東長崎駅北口徒歩4分の「小劇場てあとるらぽう」で公演する。脚本は座長の田中千寿江さん、企画はかぜわたるさん。

「貝殻」は、結婚生活に失望し、死のうと旅に出た主人公が、旅先で知的障がいを持ち、幼な子のような安さんと出会い、救われるという物語。「壁の声」は、吃音のため虐げと嘲笑と暴力を受け、ついには殺人の罪を着せられ死刑囚になった青年の物語。「足跡の消えた女」は、嘘を重ね続ける女性と、その言葉を信じ続けようとする夫婦の物語。舞台は一作品約30分のオムニバス形式だ。

田中さんは、「コロナになって舞台も映像化しないといけなくなり、見てくださる方々に身近に感じていただける短編をと、この三作品を選んだ」と語る。「特に『足跡の消えた女』の夫婦の会話が素敵で、理想の夫婦像だなと。夫の砂沢の言葉『人間は信じがたい存在だけれど、ボロクソの人間同士だからこそ、なお希望を見出す努力をしたいんだ』というセリフは、互いに人を信じられない時代にあって人を信じ続ける希望を持ちたい、不確かに見えるけれど人間の心には確固たるものがあるに違いないというメッセージが込められています。その思いをタイトル『ふたしかでたしかな』に込めました」
千夜一夜座での三浦作品の舞台化は、「道ありき」「帰り来ぬ風」に続いて3回目。今回は三浦綾子文学館が後援している。
劇場開演時間は午前11時~、午後3時~、午後7時~(開場は30分前)。料金は一般3千500円、65歳以上3千円、学生2千円、障がい者手帳を持っている人千円(付き添い一人のみ500円)。
オンラインでは、別撮りしたものを9月20日から10月24日まで配信。オンライン視聴3千円。ディスク販売ブルーレイ3千円、DVD2千500円。
予約問い合わせ先はTel070・6406・1018(午前7時~午後9時)、田中まで。Fax03・3996・8150、Eメールsenyaichiya.contact@gmail.com URL https://www.senyaichiyaza.com/