“非人間的制度の改革必要” 入管収容所面会活動続ける宮島氏

写真=オンラインで語る宮島さん(右)

日本基督教団西東京教区社会部主催による「平和集会」が8月14日、オンラインで開催。12年間、入管収容所での面会を続けてきた宮島牧人氏(日基教団・原町田教会牧師)が「寄留者の隣人に」をテーマに講演した。【中田 朗】
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最初に、レビ記19章34節、マタイの福音書25章35、40節の御言葉を挙げ、面会活動の聖書的根拠を提示。面会支援を通し、「オーバーステイや不法残留による収容者たちはみな、様々な事情を抱えている人たちで、決して犯罪者ではないことが見えてきた」と語る。「在留資格のない外国人は、国外事情(空港で難民申請をしたが認められず、収容された。政治活動や同性愛、家族間トラブルなどで国に帰れない。留学生ビザや技能実習生ビザで入国したが、資格以上の仕事をしてしまった、など)、国内事情(オーバーステイ後も長年日本で働き家族生活をした。母国に帰っても生活基盤がない、など)がある」

また、「難民は政治的迫害ほか、武力紛争や人権侵害を逃れるため、国境を超えて他国に庇護を求めてきた人々を指し、日本は難民条約の批准国だ。だが、2019年の日本の難民認定率は0・4%と、他国に比べて極端に低い。まさに難民鎖国だ」と指摘。「収容施設も送還を前提にしており、居住空間は狭く、自由時間は限られており、携帯やパソコンは没収、手紙も検閲される。医師はみな非常勤で環境は劣悪。収容期間の上限がなく、いつ出られるか分からない。長い人は3年以上収容される。仮放免申請しても結果が出るまで2か月以上かかり、保証金の基準も不明。たとい仮放免で外に出られても、入管庁に定期的な出頭義務があり、許可なしの移動や就労は禁止、健康保険には入れない」と語った。

今年3月、入管施設で亡くなったスリランカ人のウィシマ・サンダマリさんのことにも触れた。「ウィシマさんは適切な医療を受けられず、衰弱してベッドから落ちても数時間放置され、入管職員から侮辱的な言葉を投げかけられた。死亡までの13日間の様子が監視カメラ映像として残っているが、入管は2時間程度に編集したものだけ提示し、都合のいいところしか見せていない」

(この後、難民申請精度の問題点、収容者との面会の意味について語ります。2021年9月5日号掲載記事