「LOVE JAPAN」の文字を掲げる参加者

東京オリンピック・パラリンピック(以下:オリ・パラ)が9月5日、終了した。今回は緊急事態宣言下での開催ということもあり、ほとんどの会場は無観客での開催で、世間では開催の是非について賛否両論に分かれた。そんな中、JiSP(日本国際スポーツパートナーシップ)は、JEMA(日本福音宣教師団)と協力し、30日のオリ・パラ開催期間中、国内外のクリスチャン有志がオリ・パラと日本のために計100万時間の祈りを捧げることを目指す祈りのムーブメント「Japan1million」を展開。最終日(5日)には「セレブレーション祈祷会」をオンラインで開催し、祈りの恵みを分かち合った。【中田 朗】

マーティさん
サラさん

JiSPは、2年以上かけてオリ・パラ宣教のために祈り、準備してきた。しかし、昨年からの新型コロナの世界的な感染拡大のため、オリ・パラは1年延期。今年は行われたが、フェスティバルなどのイベント開催はすべで断念せざるを得なくなった。
だが、「祈りの門は開かれている。今、世界は日本に注目している。開催期間中、100万時間の祈りを捧げたい」とオーストラリア人のスポーツ宣教師マーティ・ウッズさんの発案から、「Japan1mill
ion」がスタート。期間中は毎日、オリ・パラと日本のための祈りの課題が配信された。パラ期間中の13日間は、毎朝6時からオンライン早天祈祷会が行われ、クリスチャンのパラアスリートや関係者らの証しと共に、オリ・パラと日本の祈りの課題を覚えて祈り合った。
セレブレーション祈祷会では、長沢崇史さん(カナンプレイズチャーチ主任牧師)が賛美を導いた。最初にウッズさんが、「私たちは毎朝、オンライン上で祈祷会をしてきた。私は祈りが大きなインパクトを与えたことを信じている。ブラジルのある選手は『この祈りによって超自然的なことが起こった』とメールをくれた。多くのクリスチャンアスリートたちがメダルを取り、大きな証し人になった。スポーツがあらゆる国の人々を一つにしてくれた」と感謝を述べた。

ブラジルから祈りに参加したガブリエレさん

「Japan1million」でホームページ作成、メール配信などの奉仕をしたアメリカ人のサラ・チャン宣教師が「『Japan1million』に98か国、11万2千967の個人・教会がコミットし、36万5千40時間の祈りが捧げられた」と報告。「数ではなく、数の背後におられる一人一人が聖霊に導かれ、日本のために祈ったという事実に感謝した。神様がこの30日間にしてくださったことを、これからも継続してくださることに感謝したい」と語った。
「Japan1million」に参加した海外のクリスチャンたちの感謝のコメントも動画で紹介された。ブラジル人のガブリエレさんは「祈りの課題を家族、友だち、教会の皆さんにシェアできた。神様の日本への働きに参加できてとてもうれしい」、スポーツ宣教団体アスリート・イン・アクション(AIA)のボブ・ジョンソンさんは「日本という国をもっと知ることができた気がする。何より神様の祝福が、この新しい祈りのムーブメントを通して日本に流されたことに驚く。日本の教会が動き出していることも励ましになる」と語った。

森さん

日本からは、パラ早天祈祷会のファシリテーターを務めた植木象平さん(グレースハーバーチャーチ・スタッフ)が「パラリンピックでいくつも金メダルを取っていた南アフリカのある人が、ある大会では取れなかった。でも神様はその人に『金メダルを取っても取れなくても、あなたを愛する』と語ってくれたと証しした。その言葉に私は感謝した。早天祈祷会では、民族も言語も違ういろんな国々の人が証しし、祈った。天国の前味を味わったような、言葉に表せないすばらしい体験だった」、JiSPで事務局の働きをする鈴木まどかさん(アスリートチャーチ)が「オリ・パラはスポーツ宣教の最大のチャンスと期待を膨らませていたが、準備していたことすべてが中止になった。ハガイ書2章4節の御言葉を受け取っていた私は、『神様は、スポーツで神殿建設に取り掛かるとおっしゃったではないですか』と祈った。その時〝一致〟という思いが与えられた。祈りによって日本の地域教会が、世界のクリスチャン・教会が一致し、ワンチームになる。それが『Japan1million』だった」と証しした。

池田さん

森章さん(平キリスト福音教会牧使)はメッセージで、「今回のオリ・パラで100万時間の祈りを呼びかけて、日本、世界のクリスチャン、教会が導かれ、オンラインを通じて日本のために一つになって祈る機会が与えられたことは本当に歴史的なこと」だとし、「神様はこういう方法を通して、私たちが引き続き心を一つにして日本のため、また世界の国々のために祈っていくことを願っている。神様は今日本を変革しようとされていることを疑わない。イエス様のことを口にし、ほめたたえ、賛美する小さなグループが日本の至るところで生まれてくる。そういう状況がやがて訪れることを期待する」と語った。
JiSPオリ・パラ担当の池田恵賜さん(JECA・本郷台キリスト教会牧師)は「新型コロナのために思ったような働きはできなかったが、オンラインを通じて世界中の人々とつながり、心を一つにして祈れたことは大きな財産となった。100万時間に届かなかったのは、ここで祈りの手を下げてはいけないという神様からのメッセージと受け止めた。今後も形を変えながら祈り会を続けたい」と抱負を語った。
そのほか、バトンを渡す意味も込め、24年に開催される次のフランス大会のために、池田さんが祈りを捧げた。