愛情を注ぎ土壌をつくる働き全国へ hi-b.a.70周年関西大会  高校生 「行き続けてよかった」

川口さん

hi-b.a.70周年関西大会が11月20日に大阪クリスチャンセンターで開かれ、高校生やOB、支援者らがその歴史を振り返り、喜びを共にした。hi-b.a.代表スタッフの川口竜太郎さんが「次世代信仰育成について」をテーマに講演した。

1951年に宣教師によって東京・渋谷からスタートしたhi-b.a.は「定期集会」「特別集会」「キャンプ」を3本柱に、現在関東、東海、関西の各地で活動を展開、2050年までに47都道府県全域に拡大するというビジョンを掲げて前進している。

代表役員の中台孝雄さんが挨拶に立ち「日本にいるすべての高校生に福音を!」と、スタートしたhi-b.a.のビジョン達成を展望する大会にしたいと呼びかけた。1964年にスタートした関西hi-b.a.の歩みに触れ、立ち上げに尽力した元スタッフの大竹一行さん(今年8月6日召天)と、堀内顕さん(昨年12月11日召天)を追悼ムービーで偲(しの)んだ。

関西hi-b.a.スタッフ。左から竹井信子さん、竹井祐一さん、新川信旨さん、鈴木雅也さん、北口美喜さん。

現在関西hi-b.a.は大阪で3か所、兵庫で2か所、京都、奈良、滋賀で各1か所の計8か所で定期集会を開いている。スタッフは「コロナ禍では苦戦を強いられましたが、これからも高校生が集まりやすい集会にしていきたい」と、意欲を燃やしている。

証しに立った高槻聖書教会牧師でOBの玉垣資(たすく)さんは、当時は「怪しい」団体だと思っていたと笑いを誘った。クリスマス集会で「聖書も悪くない」と感じ、キャンプで救われて、現在思いもよらぬ牧師となり、今や長男はhi-b.a.二世だと「神の導きの不思議」に感謝した。

現役高校生のメンバーは「いじめに遭って、毎日生きるだけで精一杯だったときに、楽しそうなhi-.b.a.の高校生に出会いました。集会でメッセージを聞いて、自分のマイナスな考え方を手放すことができました」と、証しした。「どんなに今つらくても、絶対神様は助けてくれるという強い確信があります。hi-b.a.に行き続けてよかったです」

『中高生に信仰を伝えるために』(いのちのことば社)の著書のある川口さんは、15年間スタッフを続ける中で、中高生への信仰継承の難しさを痛感していると切り出した。

「精神を削られるような体験もあります。相手を成長させよう、変えようとしてしまいがちですが、大切なのは相手によって私たちが変わり、アプローチを変えていくことです。ただひたすら忍耐をもって関わり続け、みんなで愛情を注ぎ続ける。信仰育成のゴールは、彼らが自ら神を選び取り、神と共に生きるようになること。たとえ相性が合わない人がいても、神の前にへりくだれば、何とかうまくいきます」

高校を卒業した後のことも話しておく必要がある。誘惑に流されやすい大学生活、社会人になってから、さらに結婚生活やその先にある定年後の暮らしに至るまで、長い人生を「この世の価値観ではなく、神の価値観で生きていくとき、神様は祝福してくださる」ことを、伝え続けなければならないと強調した。

「中高生は真理に飢え渇いています。命について、生き方について、なぜ生まれたのか、真剣に考えています。私たちは聖書に答えがあることを知っている。そこに真理があること、命の尊さを知っている。確信をもってみことばを語り続けましょう。みことばの需要は今後もっと高くなります。多くの中高生は“あなたは高価で尊い”などと聞いたこともない。学校でいじめられ、家で虐待されていたら、そんなこと考えられない。あなたは神様にとって宝物のような存在なんだよと言うと、すごく感動します」

信仰成長の鍵は土壌づくり。土壌がしっかりできれば勝手に成長する。そのために必要なのは同世代の信仰の励ましだ。指導者は「安全、健全、公平」を旨に、良き管理者であれと川口さんは勧めた。

hi-b.a.から新刊のバイブルメッセージ集『Let’s be Frends.神とつながる366日』(いのちのことば社)が、12月下旬に発売予定。