2月25日に引き続き、クリスチャン有志による「ウクライナのための祈祷会」の第2回目が3月4日、オンラインで開かれた。呼びかけ人は朝岡勝氏(同盟基督・徳丸町キリスト教会牧師、東京基督教大学理事長)。当日は、日本基督改革派派遣宣教師として5月にハンガリーに遣わされる、川瀬弓弦牧師とウクライナで生まれ育ったハンガリー人のエダ夫人が、ウクライナの今の現状を報告し祈りを要請。それを受け、100人弱の参加者がウクライナのために祈りを捧げた。

川瀬弓弦、エダ夫妻

最初に朝岡氏が「主は地の果てまでも戦いをやめさせる」(詩篇46・9)を朗読。「この世界の痛み、苦しみに対して主が立ち上がってくださらなければ、人間の愚かさ、罪深さが止まるところを知らない現状の前に、途方に暮れる思いがする。しかし、主は私たちに祈ることを教えてくださり、このような時にこそ祈るようにと励まし、導いてくださった。この祈りの集いを主が用いてくださるように。この時も『やめよ。知れ。わたしこそ神』(詩篇46・10)と、お語りくださいますように」と語った。

川瀬氏は「少し前までは、こんな事態になるとは思ってもみなかった。何より妻が生まれ育った国が戦争状態で、状況も日々悪化していることに心を痛めている。5月にハンガリーに行ってからは、このことに関わっていくことになる。しかし、今、世界中の教会がウクライナとロシアのため、平和のために祈ってくださっていることには、とても励まされている」と語る。

その上で、祈りの課題を挙げた。

①ロシアがこれ以上ウクライナに侵攻することなく、直ちに撤退するように。各国の為政者たち、特にプーチン大統領が自分の思惑や夢の実現のためではなく、最も弱い者に寄り添う政治と判断を行うことができるように。
②国家総動員令によって引き離されてしまった家族のために。父親を欠いた難民がこれ以上生み出されてしまうことがないように。
③ウクライナに残っている避難民や高齢者などの対応にあたっている牧師や長老の働きのために。
④危険が迫っていると分かっていても、自分の国、故郷、家族や友人を残してはいけず、ウクライナに残ることを決めた多くの人々の命が守られるように。
⑤難民を受け入れている周辺国家の対応のために。ポーランド、ハンガリー、ルーマニアなどで活動をしている多くの教会、兄弟姉妹たちの献身的な働きが支えられるように。
⑥ウクライナ人にとっては兄弟でもあるロシアの国民の良心に聖霊が働きかけてくださり、正しいこと、本当に重要なことを聞き分けることができるように。何のために戦っているのかさえ分からないとされる、若いロシア兵のために。

これらの祈りの課題を覚え、各自が祈った後、菊池実氏(東京基督教大学教授)が代表祈祷。「私たちが思いもしなかったこのような出来事が、21世紀の時代に起きていることに驚愕している。しかし、私たちがあなたを信頼して祈る時、あなたはそれを止めさせることができるお方。どうか神様、この事態の中にご介入ください。私たちもまた、破れ口に立ってくださったイエス様にように、小さな所において破れ口に立って祈りたいと思う。また、ウクライナだけでなく、世界の様々な地域で同様のことが起こっている。これらの地域で傷んでいる人たちのため、祈り手として立っていけますように」と祈りを捧げた。

その他、ロシア軍がウクライナの原発を攻撃したとの報道を受け、「核兵器による威嚇とその使用が絶対に封じられるように。原発への砲撃といった蛮行が直ちに止むように」と、心を合わせて祈った。

朝岡氏は、「ウクライナのための祈祷会はひとまず終了。今後は、それぞれの祈りを各教会にゆだねていきたい」と語った。