「大勢の人がウクライナからルーマニアに逃れてきています」写真提供=ワールド・ビジョン・ジャパン

 

3月8日は国連の定める「国際女性デー」。女性の権利運動を振り返るとともに、現在もなお続く女性の窮状を覚える日だ。

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンはこの日、ウクライナ侵攻から逃れた女性、少女が避難先の国などで人身取引の危険にさらされるリスクを警告し、支援を呼び掛けている。

ウクライナの国家総動員令で18~60歳の男性が国内に留まる中、難民の大半は女性で、子どもを連れていたり、妊婦であることも多いという。

ワールド・ビジョン中東・東欧地域事務所責任者のエレノア・モンビオ氏は、「彼女たちは、国境にたどり着くために何日も歩き続け、おびえて疲れ果てています。しかし、彼女たちが最も恐れているのは、自分自身の安全ではないのです。女性の大半は、自分の子どもたちや両親、家に残してきた配偶者のことを想い、恐れの中にある」と現状を伝える。

人身取引のリスクについては、「この紛争以前から、東欧の一部地域では、弱い立場にある女性が人身取引の被害者となる高いリスクがあった。しかし、ウクライナでの紛争により、より多くの女性が人身取引のリスクにさらされている。避難を余儀なくされ、突如として極度の貧困状態に陥り、夫や他の家族を失い、あるいは、家族と離れ離れになり、この紛争の様々な影響が、毎時数え切れないほど多くの弱い立場にある女性を生み出している」と語った。

ワールドビジョンは、ウクライナから多数の避難民を受け入れているルーマニアで支援活動をしている。

同国で、200人の少女 (14~19歳) を対象とした調査したところ、回答者の97%が人身取引の話を聞いたことがあり、半数以上 (53%) は女性が最も危険にさらされていると考えていることが分かった。

人身取引の具体例としては、性的搾取(72%)、誘拐 (67%) 、人身売買 (65%) 、搾取的な労働 (34%) 、物乞いの強制 (30%) が挙げられた。

モンビオ氏は「近年、欧州で発見された人身取引の被害者の大半は、バルカン諸国および旧ソ連、特にウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、ロシア、モルドバの出身者」とも述べた。

ワールドビジョンジャパンでは難民支援募金を受け付けている。https://www.worldvision.jp/form/donation/entry_input?did=358&price=5000

 

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