子どもとその家族に必要な支援を 「5月までに29万人」目標 ワールド・ビジョン基本的ニーズに対応

危機発生直後からルーマニアを拠点に活動を開始したワールド・ビジョン(WV)は現在、ルーマニアはじめモルドバ、グルジア、ウクライナ国内で紛争の破壊的な影響に対応している。
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WVは、「3~5月の間に29万人の子どもとその家族に必要な支援を届ける」ことを目標に、三つの柱に基づいた活動を進める。▽基本的なニーズへの対応=基本的な食料、住居、衛生環境のニーズを満たすため、現物支給と現金支給を実施。▽リスクからの保護=子どもの保護、ジェンダーに基づく暴力の防止、心理社会的支援サービスの提供など、紛争の影響を受けた子どもと女性を支援し、性的搾取や虐待から保護。▽各種サービスへのアクセス確保=情報、教育、医療、社会的保護など、あらゆる基本的サービスを受けられるよう支援。

ルーマニアでニーズを聞き取るスタッフ(写真提供=WVジャパン)

4月11日までに、子ども2万4千105人を含む5万7千954人に支援を届けた。届けた物資・サービスの内訳は、食料(総量23・21トン)を3万2千705人に届ける、「子どもの保護」プログラムを通じ558人の子どもを支援、WV支援の一時避難所(光熱費支援など)を1万1千266人が利用、ヒーター193点と避難生活キット299点届ける、100人の輸送手段を支援、衛生用品キットを1万3千313人に届ける、など。
各国での活動状況は、ルーマニアで3万8千393人に食料、保護プログラム、避難所、衛生キットを支援。10万米ドル相当の食料、衛生キット、通信機器、ベビー用品を、ブカレスト最大の収容規模(2千人)の避難所に届けた。千平方メートルの倉庫をブカレストに確保し、5万5千人分の1カ月の食料をウクライナ国内に輸送する準備を進める。国境の都市ヤシにおいて、避難所、衛生設備、移動手段、人身売買防止の啓発を含む保護プログラムなどの支援を4千800人を対象に実施する。モバイルシステムを利用した現金給付の準備を進める。
ウクライナ国内では1万4千738人に食料、医療用具、避難生活キットを提供。8トン以上の食料、千点の病院備品、千190点の衛生キットなどの物資を病院や避難民を受け入れる地域の団体に届けた。より多くの支援活動を行うための行政手続きが進行中だ。ウクライナ国内のある学校には約300人が避難しており、WVは食料と子ども用のおもちゃを届けた。
ジョージアでは、823人に現金、生計確保、保護プログラム、教育などの支援を提供。同国教育省の協力のもと、110人の難民の子どもたちの現地校への受け入れが実現した。現在58人が実際に学校に通っている。首都トビリシにおいて食料、衛生キット、衣料、商品引換券(薬局用)などを配布。難民を受け入れている二つのホテルで4~13歳の子ども30人を対象に、週2回の音楽療法を実施。UNHCRとともに、教育や医療へのアクセス向上、子どもの保護、心理社会的サービス提供などの支援を実施している。
モルドバでは、千640人の子どもを含む4千人に清掃用品を配布。地方政府と協力し、避難所の浴室設備の修復に資金を提供した。難民センターに食料や物資を届けた。WFP国連世界食糧計画とともに、ウクライナ難民を受け入れるモルドバ人家庭を対象とした現金給付プロジェクトを進めている。
WVジャパンでは、「ウクライナ危機緊急支援募金」を受け付けている。募金はウェブサイトhttps://www.worldvision.jp/から。

クリスチャン新聞web版掲載記事)