日曜学校の生徒だった大学生が戦死した ウクライナ宣教師船越氏
ウクライナの船越真人宣教師から現地の情報が5月14日に編集部あて寄せられた。
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2022年5月14日
敬愛する先生、兄姉へ
いつもオデッサ宣教のためにお祈りくださり、心から感謝します。
ロシア軍によるオデッサに対する攻撃(ミサイル攻撃)が強くなってきています。特に5月9日(対独戦勝記念日)の夜には7発の巡航ミサイルが発射され、そのうち3発は迎撃されたようですが、4発が町の商業施設に着弾し、施設を全壊しました(それらは超音速ミサイルだった可能性があります)。ミサイルはおもにクリミアの軍事基地から発射されています。ロシア軍の陸上部隊はヘルソンを制圧し、現在はミコライウ(ニコライエフ)で行く手を阻まれている形ですが、今後もロシア軍はミコライウからオデッサへと黒海沿岸の攻略を目指してさまざまな軍事行動(東からの陸上部隊、南の黒海からの軍艦による砲撃、西の沿ドニエステルからの軍事行動)を展開する可能性が強く懸念されています。ミコライウ、オデッサが守られ、そこにいる兄姉が守られるようにお祈りにください。
私たちは(状況が許せば)5月22日(日)にオデッサに行き、オデッサの兄姉とともに礼拝をささげる予定です。主の導きと守りをお祈りください。
ウクライナ全体としては、ドンバス地方(ウクライナ東部)で激しい戦闘が続いています。ウクライナ第二の都市ハリコフ(ハリキウ)ではウクライナ軍がある程度ロシア軍を押し戻していますが、苛烈な攻撃に晒されてきました。実は、勇貴と日曜学校・教会幼稚園で一緒だったザハル(小学校高学年の時に家族の事情でオデッサから別の町に引っ越し、その後ハリコフの大学で学んでいました)がハリコフで戦死したという知らせが5月11日に届きました。私たちにとって、あまりにも衝撃的な知らせでした。(彼は長い間教会を離れていましたが、彼が救われていたことを心から願います。) 引き続き、戦場で戦っている兵士たちのためにお祈りください(私たちの教会からも数名が兵役についています)。 また、オデッサ教会からミコライウの教会への食糧支援を行っています(ミコライウでは断水が続いており、食糧や医薬品の不足が起こっています)。それらを届ける兄たちの安全のためにもお祈りください。
ベリカ・ビーガンではオデッサから来ている26名が共同生活をしています。またベレガヴァにあるバプテスト教会でも奉仕しています(ハンガリーとの国境に近いこの町にはウクライナ各地からの避難民が多く来ています)。ここにいるオデッサ教会の一人一人が豊かに用いられるようにお祈りください。
私たちは今週の日曜日(5月8日)キエフ郊外のマカリフ教会で礼拝しました。ロシア軍によってキエフが包囲されていた約1ヶ月間(2月下旬から3月下旬)、マカリフ、アンドレイイフカ、ブチャ、イルピン、ボロディアンカなどのキエフ郊外の住宅街では残虐非道な破壊行為と虐殺行為が行われました。マカリフの教会も、ロシア軍の侵攻により教会員たちが文字通り四散させられ、集会がなくなっていました。しかし4月中旬から徐々に回復が始まりました。その回復が始まったばかりのこの教会の礼拝に参加し、癒し主である主を見上げてともに礼拝できたことは私たちにとっても大きな祝福でした(黙示録5章からメッセージさせていただきました)。この教会とリハビリセンターの回復のために、続けてお祈りください。
私たちが支援している「ロヴナ(リブネ)人道支援チーム」の活動も続けられています。このチームは、ウクライナ東部ドネツク地方からの避難民の救出と、支援物資を被災地に届ける働きをおもにしています。危険な戦地から避難民をバスで救出している6台のバスチームの安全のために特にお祈りください。
国家存亡の危機にあるウクライナが主の憐れみによって守られ、一日も早く殺戮と破壊が終わり、この危機の中で永遠のいのちを受けとる魂が一人でも多く起こされ、主の教会が守られ、強められ、宣教がさらに前進するように、続けてお祈りください。
愛するみなさまの尊いお祈りに心から感謝しています。
みなさまの上に主の祝福が豊かにありますように、心から祈っています。
船越真人・美貴