「明日はわが身」。でも必ず神様が助け遣わす ウクライナ隣国各国から現地報告「支援する会」

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超教派の「ウクライナ難民を支援する会」による第二回現地報告会が5月25日に開催され、ウクライナ隣国ルーマニア、ポーランド、モルドバから報告があった。同会は東欧宣教に従事してきた石川秀和牧師(日本同盟基督教団支援牧師)のネットワークを生かし活動する。台湾、中国、トルコのクリスチャンらとも協力。石川牧師は8月末まで東欧に滞在している。「緊急支援から霊的な支援にステージが移った」と述べた。

ルーマニアの宣教団体「カイロス」のバレンティン・ハリホルチュク氏は、「避難民の受け入れ窓口となるセンターを開設。現在まで5千人が利用、食料、シェルター、移動手段の支援をしている」と話す。毎日10~20人ほどの対応に落ち着いてきたが支援を継続する。「無関心が最大の罪」と言う。ルーマニア語や英語のクラスも開講したり、子どもたちのためには遊び場も提供している。

ポーランドに拠点があるインターナショナル・バイブル・ティーチング・ミニストリーのチェスワフ・バサラ氏は、「神様はなぜこの戦争を許すのか」という問いから話した。「様々な支援があるが、一番必要なことは愛。言葉だけではなく、行動で表現したい。戦争が『神様の祝福』とは決して言えない。ただこの中で、私たちが愛を示す機会がある」と勧めた。ウクライナ国外避難民は600万人をこえ、350万人がポーランドに避難した。ウクライナ語の福音伝道文書や聖書を送る。またウクライナ人とポーランド人がいっしょに参加する集会も開いている。

モルドバのグローバルシグネットグループのブラガ・ヴラッド氏は、ソ連崩壊後も、1992年からロシア軍の駐屯地が国内にあるモルドバの状況を説明。「誰よりもウクライナを理解できる国から来た」と紹介し、過去5年に10回以上ウクライナを訪れ、紛争避難民の支援活動や伝道集会、賛美集会など開いてきた。今年の侵攻開始後も2回訪問している。モルドバの変化として、「多くの教会がただ毎週礼拝するだけではなく、支援や伝道の活動を始めた。小さな教会が大きな教会よりも素早く動くこともあった」と話した。またシリア国境ではシリア難民がいる状況も伝えた。「モルドバはNATO加盟国ではない。ウクライナ避難民はまた他国に逃げなければいけないと心配している。私も国内各地で『明日私たちも難民になるかもしれない』と語っている。もしそうなった時、神様が誰かを通して私たちを支援してくれるはずだと信じる。だから今、私たちに与えられたウクライナ避難民を支援していきたい」と語った。

支援金の宛先や報告会の動画はhttps://www.aid4ukraine2022.com/【高橋良知】

クリスチャン新聞web版掲載記事)