戦争が現実にある中、どのように平和をつくるか。紛争のイメージも強いイスラエルは、革新的なテクノロジーを生み出す起業大国でもある。 『イノベーションの国イスラエル 世界を変えた15の物語』(アビ・ヨレシュ著、横田勇人訳、ミルトス、千870円 税込、四六判)は農業、水、医療、防衛などにかかるイスラエルの起業家の試行錯誤を紹介。起業家たちの背後には、苦難の歴史と聖書を土台にした「世界の修復」への希求があると著者は指摘する。パレスチナとの分断やミサイル防衛システムアイアンドームが出来た経緯などのリアリティーも書かれる。

 

東アジアの分断、紛争への危機感も高まる。『北東アジア・市民社会・キリスト教から観た「平和」』(富坂キリスト教センター編、燦葉出版社、2千750円税込、四六判)は韓国の民主化に尽力した池明観氏が発足にかかわった「北東アジア平和思想史研究会」の成果。中国、台湾などにも目を向け、「東アジア」「インド太平洋」など競合する地域概念、民間外交、市民連帯の実践などを紹介する。「宗教」の課題としては、戦前の「神の国」概念の比較、台湾民主化運動における教会の事例、天皇制ナショナリズムなどを考察。「犠牲のシステム」と「贖罪論」の問題も問いかける。

 

「お腹いっぱいになることは平和への近道」と語るのは、子どもに焦点を当てて活動する国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンがまとめた『いのちのバトンをつなぎたい 世界の子どもの3人に1人は栄養不良』(ワールド・ビジョン・ジャパン編、合同出版、千760円税込、A5判)。世界の飢餓に苦しむ子どもたちの具体的エピソードを、栄養学、人権の観点から解説し、豊富なデータから紛争への影響を指摘する。写真やイラストも多く、ふりがながあり、中高生から読むことができる。

 

平和は身近ところから。『ソロモンの花』(青山むぎ漫画、中野雄一郎発案、いのちのことば社、千430円税込、B6判)の舞台は花屋。そこに集まる人は、母子家庭、自殺未遂、ひきこもりの息子を抱えた母親、そして店長自身が人生を模索中…。小さな言葉や行き違いに傷つく繊細な心を描写。そんな彼らは聖書の言葉で少しずつ変わり始める。

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