「11月6日以降のヘルソンの守りのために、お祈りください」ウクライナ船越宣教師報告 2022年11月4日
ウクライナの船越真人宣教師から現地の情報が11月4日に編集部あて寄せられた。一部編集して掲載する。
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今日、ロシア当局高官が、ロシア軍がヘルソン・ドニプル西岸から東岸に撤退することを示唆したというニュースがありました。(10月中旬にも同じようなニュースはありましたが、その後、ロシア軍が兵力を増強してヘルソン市の防御を再び固め始めたため、軍の西岸からの全面撤退の可能性は低くなったものと見られていました)
いっぽうロシア側は、ロシアが併合を宣言し、その上で戒厳令を敷いているヘルソン市の住民に対して11月6日までに東岸へ避難するように指令を出していました。そのため、11月6日直後に何か大きな動きがあるのではないかと強く懸念され危機感が高まっています。
ロシア軍によるエネルギーインフラや住宅地へのミサイル、ドローン攻撃は続けられています。ロシアからは無慈悲な攻撃が日々続けられている中、ウクライナ側が少しでもロシア側の基地やインフラを攻撃しようものなら凄まじい「報復」が行われます。この理不尽な構図は、ロシア側には核兵器があり、ウクライナ側にはないことがその根底にあります。
ウクライナは1994年のブタペスト覚書によって、ソ連から引き継いだ核兵器を放棄しました(その際、ウクライナの国家の安全はロシア、アメリカ、イギリスが保障することになっていました)。自らの意思で核兵器を放棄したその非核保有国家が、その安全を保障すると約束した核保有国から非人道的な無差別攻撃を受け続けていても、それに対して実質的な自衛の反撃さえ許されず、一般市民の犠牲が増え続けているというこの実情に、言葉にできない深い悲しみを感じています。
ロシアはウクライナに厳しい冬が到来するに際して再び大量の難民を発生させようと画策しているとも言われています。どうかお祈りください。11月6日以降のヘルソンの守りのために、エネルギーインフラへの攻撃が止むように、そして電力がすべて復旧するように、そしてこの状況の中で教会が光として強められて豊かに用いられるように、ぜひ続けてお祈りください。
船越真人・美貴