双葉希望キリスト教会が献堂式 帰還・移住の葛藤の中で福音に希望
寄稿・勿来キリスト福音教会牧師 住吉英治
献堂式の様子
まず双葉希望キリスト教会(日本同盟基督教団・勿来キリスト福音教会伝道所)は、多くの方々のお祈りとご支援によって生み出された教会であることをご報告し、皆さまに心から感謝申し上げます。
献堂式の喜び
10月29日。待ちに待った双葉希望キリスト教会の献堂式。当日これまでにない快晴! 出席者約50人。遠くはカナダやアメリカ、国内各方面から実に多くの方が駆け付けてくださいました。歓喜に耐えません。
第一部礼拝で、朝岡勝先生(日本同盟教団理事長・東京基督教大学理事長)がイザヤ43章19節から「荒野に道を、荒れ地に川を」と題して語り、励ましてくださいました。第二部で、住吉が教会の設立経緯を報告し、この4月に当教会に赴任してくださった姜星光(カン・ソングワン)・金由英(キム・ユヨン)宣教師夫妻が挨拶をし、抱負を語ってくださいました。第三部で、佐藤ゆかりさん(音楽伝道師)が賛美してくださり、来賓の方の挨拶をいただきました。
後は楽しみの昼食です。ピザ釜で焼いたピザをほおばり、話が弾みました。庭に設けた食事用テーブルも満席となりました。
双葉郡の現状とこれから
双葉郡全体への帰還率はおよそ20%(各自でネット検索)。大熊町、双葉町はこれからが帰還開始となります。各町村によって大きく異なります。すでに帰りたいと思った人は帰還し、後は他県からの移住者を募り、企業誘致し、働き手を呼び込むこと等です。廃炉作業も40〜60年かかることでしょう。それぞれ必死に復興・再生を目指していますが現状はこれからも厳しい中にあります。
双葉郡にあまねくキリストにある希望を
2011年3月11日の東日本大震災で特に甚大な被害を受けたのが福島県浜通り双葉郡です。地震による津波被害、家の倒壊等、そして原発爆発事故による放射能汚染被害です。故郷に帰ることができず嘆き苦しみ悲しむ人、生きる希望を失う人、自殺する人…。これは帰還した人も同じような状況にあります。ある人は、東電に対する恨み、つらみ、憎しみで心の内に生き地獄を抱え、自分の力ではどうしようもなく亡くなる方もあります。まさに阿鼻叫喚の世界です。このような方々にどのように福音をお伝えしたらよいのでしょうか。果たして福音が届くのかとも思ってしまいます。
地域コミュニティーの破壊も深刻です。お寺や神社が築いてきたお祭りや季節毎の行事などが住民が離散し、出来なくなったのです。近年少しずつ盛り返しつつありますが! このようなコミュニティー再興の中に教会が積極的に入っていくことも大きな課題、チャレンジです。
これらの諸課題を受け止め、双葉郡全体にキリストにある希望をお伝えすること。これが双葉希望キリスト教会の使命だと思います。
姜夫妻
双葉郡の宣教はたやすいものではありません。むしろ苦しみを背負うことの方が多いでしょう。だからこそ、そこにイエスさまの存在が必要だと確信します。この地に赴いてくださった姜宣教師夫妻にエールを送ります。どうぞ夫妻を励まし、祈り、ご支援ください!
〒979―1111 福島県双葉郡富岡町小浜字大膳町185 ℡080・4082・4760E-mail khi8896hotmail.
com https://bit.ly/futabahp
(2022年11月27日号掲載記事)