一般財団法人日本聖書協会(JBS)=具志堅聖総主事=は12月8日、「聖書協会クリスマス礼拝」を、東京・中央区銀座の日基教団・銀座教会で開催した。参加者を200人に限定したものの、3年ぶりに対面での礼拝が行われ、オンラインでも配信された。

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第一部の礼拝では、JBS副理事長の菊地功氏(カトリック東京大司教)がルカ2章8~12節から「光は暗闇に輝いているのか」と題して奨励。

菊地功氏

「世界には暴力が溢れている。今、危機に直面している多くの命に思いを馳せたい。苦しみの中にあるからこそ、希望の光が必要である。2千年前に輝いた光は、誕生したばかりの幼子という小さな光だった。それは希望の光。この2年半、教皇フランシスコは連帯の重要性を強調してきた。調和のうちに結ばれた多様性と連帯こそがたどるべき道であるが、その3つは実現しておらず、私たちの眼前で展開しているのは対立と排除と暴虐。暴力を止めるために暴力を使用することを肯定してしまうような気持ちにもなるが、暴力の結末は死であり、神の否定」

「教皇フランシスコは、他者に対する無関心が多くの命を奪っている、連帯こそが希望と連帯を生み出す、と語り続けてきた。命の危機に直面する人たちに関心を寄せ、寄り添い、歩みをともにするとき、そこに初めて希望が生まれる。衣食住は外から提供できるが、希望はそれを必要とする人のうちから生み出されなければならない。そのためには交わりが不可欠。感染症の不安感は、世界中を集団的利己主義に巻き込んだ。いま世界に必要なのは互いに支え合い、連帯してともに歩むこと。そのために神の愛を受けている私たちは、その愛を多くの人たちと分かち合う生き方をすべき。そこに希望が生み出され、未来への展望につながる」

「暗闇の中に誕生した幼子こそは、神の言葉の受肉であり、神の愛といつくしみそのもの。その愛を自らの言葉と行いで人のために分かち合おうとするのが、神ご自身。私たちはその神の愛の行動力に倣いたい。神が望まれる世界の実現の道を模索することは、私たちの使命。宗教は命を生きる希望を生み出す存在であるはず。キリストは命を生かす希望の光。私たちはこの命を、互いに助け合う者となるようにと、与えられている。この世にあって、命を生かす希望の光を掲げ続ける存在でありたい。神の言葉である御子イエスが誕生したとき、暗闇に光が輝いた。イエス自身が光。私たちはその光を輝かし続けたい。輝く光であることを、自らの言葉と行いをもって証ししよう」

第2部の聖書事業功労者表彰式では、第33回聖書事業功労者として、日本聖書協会のウェブサイト管理、カタログデザイン等により聖書普及事業に貢献した、コアプランニング株式会社が表彰された。

執行役員で営業企画部部長の越沼康昭氏があいさつ、「私たちはヒアリングを重視し、クライアントとのコミュニケーションを通して、一緒に働きを進めてきた。聖書は神の言葉、教えが詰まった究極のコミュニケーションツール。それを普及させる働きは、日々勉強であり、企業としても自らが成長できるものと考えている」と語った。

越沼康昭氏