永原郁子さん
第41回大阪府民イースターが4月16日に大阪市中央区の大阪女学院ヘールチャペルで開かれた。大阪宣教祈祷会主催。メインスピーカーは公益社団法人小さないのちのドア代表理事の永原郁子さん。音楽ゲストは福音ヴァイオリニストのHirocoさんとピアニストの榊原契保さん。笹田文章実行委員長が挨拶に立ち、2019年以来の対面での開催を喜んだ。

ルカ24章13〜35節が示され、永原さんが「暗闇に光を与えてくださるキリストに導かれて~行き場のない妊産婦支援の働きを通して」をテーマに語った。

小さないのちのドア(ドア)は、思いがけない妊娠や子育てに行き詰った人々の相談を、24時間体制で行っている。行き場のない妊産婦のための「マタニティホームMusubi」も運営して、母子の支援に尽力している。

相談者の多くがパートナーに逃げられ、頼る実家もなく、働けなくなって住む家もない女性たちだ。お金が無くなると路上生活になる。子どもの虐待死で最も多いのは0歳児。生後0日。加害者の95%が実母という状況だ。ドアでは、生まれた赤ちゃんをタオルにくるんで、下半身血まみれで助けを求めてきた人もいた。「これらは相談する場所があれば防ぐことができます。女性と赤ちゃんの人生を守ることができます」

人生の闇をさまよう女性に衣食住を無償で提供してきた。病院や行政に同行支援し、産後は自立支援をする。育てられなかったら特別養子縁組を世話する。ボロボロでやってきた女性が、赤ちゃんを抱いて胸を張ってドアから出て行く姿を見送ることが、最大の喜びだ。

「そんなとき、ああ、イエス様が触れてくださったなと思います。エマオに向かう弟子たちは絶望の中にあったけれど、復活のイエス様に出会い、希望を持って歩み始めました。人は心に闇がある限り、本当の自立は難しい。けれど、私たちの手のわざを通してイエス様の愛に触れることで、暗闇に光が差し、足取り軽く未来に向かえるのです」

来年の児童福祉法改正に伴い、妊婦の生活支援が制度化されることになった。ドアの働きは兵庫県の委託事業になっており、制度化のモデルとして注目されている。

永原さんは「この働きを始めたとき、大海原に小舟一艘(そう)という不安な船出でした。イエス様が船に乗り込んでここまで導いてくださったのです。これからも怖れず、希望を持って歩んで行きます。生きづらさの中にある方は、イエス様を受け入れてみませんか」と、呼びかけた。

2023年04月30日号 06面掲載記事)

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