はこぶねウェブセミナー「DVカウンセラーに聞く! 大切な関係の守り方」(はこぶね便事務局主催)が4月10日から3回にわたりオンラインで開催された。講師は長年、DV被害者支援・加害者更生の働きをしてきた栗原加代美さん(NPО法人女性・人権支援センター ステップの理事長)。第2回目のテーマは「思いやりは選択 外的コントロールと内的コントロール」。(4月23日号で関連記事
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最初に、外的コントロール、内的コントロールについて説明した。外的コントロールとは、とにかく相手を自分の思い通りにしようとする考え方で、特徴として▽自分は相手の言動に対し、反応して行動する、▽相手は変えられる、▽自分は正しい。相手は間違っている。間違っている相手を正すのは当然だ、を挙げた。
一方、内的コントロールは、変えられるものに焦点を当てて考える考え方で、特徴として▽動機付けは内側から(自分がやる気になった時に行動する)、▽相手は変えられない(変えられるのは、自分と未来と今)、▽願望はひとそれぞれ(自分と相手は違っていい)、を挙げた。
この二つの違いについて、掃除を例に挙げた。「外的コントロールであれは、掃除しろとしつこく言えばするだろうと考える。相手を変えられると思うと、何回も言う。怒りが出てくると、相手を従わせようとする。それが親子関係なら、虐待、夫婦関係ならDVとして現れる。実際に、掃除するしないで離婚される方が結構多い」
「内的コントロールであれば、パートナーがやらなくても自分でやればいい、パートナーのタイミングでやってくれればいい、部屋のきれいさは人それぞれ、掃除は誰がやってもいい、と考える。そう考えれば怒ったりしない」
外的コントロールには人間関係を壊す致命的な七つの習慣が現れると言う。それは、(相手を変えようとして)▽批判する、▽文句を言う、▽脅す、▽自分の思い通りにしようと、褒美で釣る、(相手を正そうとして)▽責める、▽ガミガミ言う、▽罰する。
一方、内的コントロールには良い人間関係を築く七つの習慣が現れると言う。それは、▽傾聴する、▽励ます、▽信頼する、▽意見の違いについて交渉する、▽支援する、▽尊敬する、▽受容する。その中で、特に「傾聴する」を勧めた。「傾聴することで相手の願望が分かれば、他の良い習慣も生まれて来る。傾聴すればすべてが変わり、それだけで夫婦関係はやっていける」
傾聴する時には、サ行で相づちを打つことも勧めた。「そうだね、その通りだ、さすが、すばらしい、などで相づちを打つと、、、、、、、、
2023年04月30日号   07面掲載記事)

4月23日号1面:「DVカウンセラーに聞く! 大切な関係の守り方」 怒りで全てを失わないために