あまたある学び舎の中から東京基督教大学(TCU)へと進み、神学を学ぶ。
送り出した親、学ぶ子それぞれどのような思いを抱いているのだろうか。二組の親子に聞きました。


「共同生活は生涯の財産に」


親  金子 恒一さん
   (公財)基督教イースト・エイジャ・ミッション 常務理事・事務局長
学生 金子 りさきさん(総合神学科2年)


親 ― 恒一さん

Q1.お子さんがTCUに入学するうえで、どのような思いがありましたか?
 高校生だった次女が、「TCUを目指したい!」と打ち明けてきた時は正直驚きました。え? 神学? という感じで。神学の学びについていけるか多少心配でしたが、何より人として成長し、与えられた「召し」をしっかりと受け止めて学びを深めていってほしいと期待し、送り出しました。

Q2.TCUに入学して、親から見てどのような変化がありますか?
 週末に帰宅した際、その週受けた授業の話をよく聞きます。たとえば最近では旧約聖書・キリスト教史・仏教学などです。中身の濃い授業内容はもちろん、先生方の豊かなお人柄や丁寧なご指導の様子が伝わってきます。もれなく授業中のジョークまで覚えて帰ってきます(笑)。学問の世界にぐっと引き込まれ、同時に、授業を通じそこでも「キリスト」に出会っているようです。また、寮での共同生活は生涯の財産になりますね。うらやましいです。

Q3.これからのTCUに期待していることがあれば教えてください。
 これからもますます、キリストの弟子としてしっかりとした立ち位置を築き、日々視座を高め、これから遣わされていく現実の世界に向き合って行けるように励ましてほしいです。それからぜひ、オンラインやポッドキャストなどでの聴講機会などが増えると、うれしいです。


学生 ― りさきさん

Q1.どのような期待をもってTCUに入学しましたか?
 同世代のクリスチャンとの交わりです。実際に入学してみると、期待以上の恵みであふれていました。みんなで賛美したり、肩を組んで祈り合ったり、子どものようにはしゃいだり、ささいなことでも神様の大きな愛を感じます。

Q2.TCUに入って成長したと思うことはなんですか?
 異なる国や地域、環境から集まった学生たちと共に生活をしているので、他者への理解が深まったと思います。また、TCUでは証しやプレゼン、ディスカッションをする機会も多いので、人前で話す力がついたと思います。



「献身者としての成長を願って」


親  塚田 献(ささぐ)さん (左から2人目)
    1997年TCU卒、日本伝道福音教団 高田聖書教会牧師
学生 塚田 祐(たすく)さん(総合神学科2年・右端)
学生 塚田 響(ひびき)さん(総合神学科3年・中央)


親 ― 献さん

Q1.お子さんがTCUに入学するうえで、どのような思いがありましたか?
 TCUならではの、キリスト教世界観を通したさまざまな分野での学びがあるので、多くの先生から広く研鑽を積んでほしいと願っています。また、日々聖書のみことばを学び、親しむことによって、神様との交わりが深められていくこと。そしてクリスチャンとの交わりの中で自らを知り、生涯の信仰の友と出会うことを期待して送り出しています。

Q2.TCUに入学して、親から見てどのような変化がありますか?
 これといって特別な変化を感じているわけではありませんが、聖書を学ぶ機会を喜んで過ごしています。寮生活の中で、悩み苦労している姿も見えますが、特に人と関わることや共に仕え働くことについて成長過程にあるように思います。また慣れ親しんだ自分の場所を離れても、変わらずに自分らしくいられるということも大事なことかと思います。

Q3.TCUに期待していることがあれば教えてください。
 私が在学していた時からの、「すべてのクリスチャンは献身者である」という精神に基づいて、「福音主義」「超教派」「実践的神学教育」「世界宣教」の建学の精神を貫いていってほしいと願います。若者であれ、年配者であれ、主に仕えたいと願う人たちの育成の場として、福音派の中核となる神学校として、これからも主に豊かに用いられていくことを期待しています。


学生 ― 祐さん、響さん

Q1.どのような期待をもってTCUに入学しましたか?
祐さん:福音を土台とした超教派のクリスチャンのコミュニティーを通して、神様のことをより知ることができること、また自分自身を知ることができることを期待していました。
響さん:福音主義を土台とした学びの中で、知識、霊性において、キリストに向かって成長すること。献身者として整えられ、共同生活や学びの中で自分の神学がブラッシュアップされること。一生の仲間に出会うこと。

Q2.TCUに入って成長したと思うことはなんですか?
祐さん:自分以外の誰かを心から受け入れることができるようになってきたことが成長したことだと思います。建前で受け入れるのではなく、心から人を受け入れることを学んでいます。
響さん:まだ入って間もないですが(三年次編入学)、さまざまな神学の形に触れ、広い視野と、多くの視点を培う楽しさを味わっています。また、聖書の歴史的、地理的背景を学びながら聖書の読み方が変わったように感じます。



(企画制作・クリスチャン新聞)

2023年07月16日号 05面掲載記事)


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