連載 JCE7を聞く⑤「S&L」共同代表 内山勝さん 賜物を結ぶ出会いの場を
第七回日本伝道会議(JCE7)が9月に開かれる。準備を進める担当者らに現在までを振り返ってもらい、展望を聞く。第5回は開催地委員会発のプロジェクト「S&Lネットワーク」(以下「S&L」)共同代表の内山勝さん(=写真=イムマヌエル・名古屋教会牧師)。【高橋良知】
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同じ地域で活動共有する喜び
「S&L」は東海地域の信徒の賜物を結びつける出会いの仕組みだ。「JCE7の大会当日だけではなく、そのあとも地域に仕えて継続し、広げたいと開催地委員で話し合いが始まった」と内山さんは言う。名称は「地の塩」(Salt)、「世の光」(Light)の頭文字から取った。個人・団体での登録制。様々な教派から90件、150人以上が登録している(6月現在)。「東海限定の企画が、他の地域の刺激になれば」と期待する。
「地域でもっと宣教協力する関係を築ければという問題意識があった。JCE7がきっかけとなり、声をかけやすかった。教会単位ではそれぞれの事情で難しいので、地域で証しする信徒一人ひとりにアプローチする方法となった。牧師の中にも、音楽、傾聴、葬儀、フットサルなど賜物を持つ人がおり、信徒とフラットな関係で、働きに参加する。いきなり社会的にインパクトのあることはできなくても、一人ではできなくても、集まってできる一歩を踏み出したい」
「『S&L』を支える牧師たちの共通認識として、『プロジェクトの要員にするために人を集めないようにする』ということがある。そうなると『やらされている』という意識になってしまうからだ。自らが集う教会を大事にしつつ、一つの教会ではできない働きを励ます機会として、皆さんと共に進みたい」と話す。
情報共有のために、ホームページを開設する。「新たな参加者を呼びかけるためにも情報発信をしつつ、個人情報は守る。信徒の主体的な参加が基本であるが、異端対策として、登録者各個人に所属教会を明らかにし、牧師の承認を得てもらう。また賛同教会もつのります」
1月、5月、7月には、オンラインでの交流会を実施した。「教団教派は異なっても、同じ目に見えない公同の教会の一部であり、私たちは一つ。あの教会よりもわたしたちの教会が優れていると思ったり、主義主張を議論するのではなく、共通のものに目を向けたい。他の教会の人を自分の教会に引き込まないなどルールも伝えた」と語る。
スポーツ活動をしている団体、子ども食堂を始める仲間を求めている人など、様々な人が集った。「今後もこのような交流会を続けたい。JCE7前日、9月18日の東海フェスティバルは対面で開催されるが、みなが集まれるわけではない。より小さい地域ごとやテーマごとなど、オンラインも駆使して様々できると思う」と期待する。
JCE7終了直後の日曜に開く「合同礼拝」についても、内山さんは「S&L」と同じ意識でとらえている。各教会で礼拝し、午前11~12時にZoomでつなぐ。賛美、司会、証し、説教を異なる教会の人々が担当する。
「7人で始まった開催地委員会だが、今は地域の40人の牧師が実働してくださっている。委員同士、会議だけではなく、交わりの中で、教会形成の課題を語り合った。地域で一緒に牧会しているという意識だ。この恵みは大きい」と語った。 (つづく)
(2023年07月09日号 07面掲載記事)