9月24日号1面〝多世代〟で次の時代を 日本伝道会議 と世界の潮流
人生の証し共有が鍵 ローザンヌ・ビジョンフロンティア
小山さんの報告
「どうする、私たちの未来―世代間で考える教会と伝道」を全体テーマに、日本ローザンヌ委員会主催の集会「ローザンヌ ビジョンフロンティア」が、8月21、22日にオンラインで開かれた。めまぐるしい世界の変化の中で、「世代間対話、世代間連携」の重要性を強調。世界ローザンヌ運動の取り組みや、テクノロジー、アートにかかわる「Z世代」の声が紹介された。
初日は、小山健さん(岐阜純福音教会牧師=写真右上)が5月に米国で開かれた「ローザンヌ世代間対話」(LGC23)を報告。LGC23は、多様な国籍の18~82歳、100人が参加した。ウクライナ人とロシア人の対話にも遭遇し、「福音は世代だけでなく、国や難しい状況を超えて一致を与える。ライフストーリーを分かち合うことが重要だった」と述べた。
「存在を賭け本気で子どもに向き合う実践の中に、教会にある見えざる壁を越える何かがある」などの応答もあった。
品川さん
岡脇さん
2日目は、Z世代について、「未来を悲観しているが、具体的で、小さく実行可能なことを、仲間と行うことに関心をもつ。『ワクワク感』が重要」と紹介。コンピューターサイエンスを学ぶ品川めぐみさんは、「同じ情報でも誰から聞くかで違う。まず私という人間を知ってもらう」とSNSなどの取り組みを話した。
バレエダンサーで起業家の岡脇柚太加さんは、バレエを学ぶ10代の声や身体表現の実践を紹介し、「湧き上がった感動を観察してほしい。聖書を読む時にも生かせる」と勧めた。
捧げる姿勢問われる アライズ・エイジアAriseAsia
アライズ・エイジアの日本関係参加者ら
7月にアジア全地域の青年らが集まった青年宣教大会「アライズ・エイジア」(8月20日号で既報)の日本関係参加者による報告会が8月25日に開かれた。大会の創設・運営に関わった武田考平さん(米国・フェイス・バイブル教会牧師)が大会の経緯を説明。日本側コーディネーターの秦ゆかりさん(JECA・夙川聖書教会副牧師)が当日の様子を伝えた。秦さんは、「現代的な賛美やダンス、アプリなどを使って、Z世代に魅力的なアプローチがされた。届きたい人たちの居場所に飛び込む宣教が体現されていた。先輩の牧師としては日本の教会の課題や対応を考えがちだが、Z世代自身の、宣教をしたい、宣教の話を聞きたい、という思いに応えていきたい」と述べた。
参加者の社会人女性は、「友人、家族への伝道のビジョンを得たいと思って参加したが、まず私自身がどういう姿勢で仕えるか考えさせられた」、日本で信仰を持ち、米国の神学校に留学中の中国人女性は「一つの文化に所属しない自分の立ち位置を考えさせられた。ただひとりの神様に作られた人間として、互いに知り合いたい」、大学生男性は、「将来の進路、給料やキャリアのことで頭がいっぱいだったが、自らを神様に捧げる人々の姿に学んだ」、伝道師女性は、「主の大きな計画のため、日々どう生きるかが大事だと学んだ。同じ歩みをする友が世界中にいることも励まし」と話した。
〝今〟の希望でもある JCE7直前祈祷会
「『おわり』から『はじめる』」をテーマにしたJCE7直前の9月1日には、「第二回JCE7オンライン祈祷会」が開催された。
JCE7メインスピーカーの4人(山本陽一郎さん、塚本良樹さん、老松望さん、小山健さん)があいさつ。開催地委員会からは東海地域の宣教協力の展望とともに、東海フェスティバルの内容を紹介。24日のオンライン合同礼拝には、東海地域の50教会以上が登録していると報告した。
メッセージは、日本ホーリネス教団で次世代育成主事を務める照内幸代さん(=写真左上=秦野キリスト教会牧師)。ヨハネ11章17~27節から「『終わり』に見る希望」と題して語った。目の前の現実をあきらめ、「来世」に希望を託す若者の風潮を指摘。「〝いつか〟かなえられる希望ではなく、〝今〟生きて働く主イエス・キリストの希望を、『終わり』の時代に受け取り、新たな決断をしていきたい」とJCE7に期待し、勧めた。
(2023年09月24日号掲載記事)