5月19、20日に開催された「D6全世代信仰育成ファミリーカンファレンス」(アジア福音同盟・D6ジャパン共催、6月11日号で一部既報)から、各セッションの内容を抄録する。今回は、チャイユン・ウコサクル博士(「ヘルシーアタッチメント(健全な愛着)」コーチングディレクター社会開発部)が結婚生活について語る。(レポート・D6ジャパン事務局)

 

これまでの記事

① 「弟子づくりについてもう一度考えよう」 2023年07月16日号

② 「教会と家庭が『もう一度つながろう』」 2023年07月30日号

③ 「教会と家庭が『もう一度つながろう』」Part2 2023年08月06日号

④ 「家庭内でもう一度つながろう」 2023年08月13日号

 

夫と妻の関係は尊いものだが、非常に壊れやすく十分なケアが必要である。家族関係もまた複雑なものだ。多くの夫婦が子どもを持つが、自らもまた誰かの子どもである。夫と妻はそれぞれの両親との結びつきに対処することを学ぶ必要がある。「それゆえ、男は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となるのである」(創世記2章24節)。これは夫婦に関する神の設計図であり、健康な夫婦関係を築き上げるための環境・枠組みを提供している。ここに結婚生活を建て上げるために大切な土台となる三つのステップがある。まず離れること、結びつくこと、そして、一つとなることである。

どんな文化であれ、新しい家族が生まれる時、その家族と自分たちが育った原家族の間には境界線が必要となる。離れることがなければ、二つの世代間で緊張や混乱が起こる。「離れること」なしに、結ばれ、本当に一つになることは不可能である。離れることは新しいものを造る余地を生み出すが、それは自分の原家族とのつながりを切り捨てることではない。

妻と夫は自分たちの絆を強くするために、自分と両親との絆を緩める必要がある。同様に親は子どもの手を放していく必要がある。離れるべき三つのことは、①自分が育った家族の心地よさから離れること、②その家族の保護から離れること、③その家族の権威・義務を離れること。

夫と妻は協力し、自ら決定する必要がある。結婚した夫婦はそれぞれの両親に単純に「従う」のではなく、「尊敬し敬う」のであり、離れることは主の知恵だと言える。

次のステップは、結びつくこと。どちらも自分の人生をささげ、お互いの人生に参加することを学ばなければならない。双方の人生が新しい愛と環境の中で織り交ぜられていく。二人が命と命を一つにし、有意義に生きるには、信頼を育まなければならない。互いに仕え合い、葛藤に対処していくなら、二人は結びつくことができる。

最後のステップは、一体となること。1+1=1。それは夫と妻の両方がもはや存在しないことを意味するわけではない。夫婦が深くお互いを見つめるとき、神はその結婚において、二人を一つにしてくださる。これは神の働きであり、私はこれを神学的一致と呼ぶ。もう一つのレベルの一体性は日常生活における一体感である。夫婦が平和に喜んで生活する。そのためには神の恵みが必要である。

離れて、結ばれて、一つになること。信頼関係を築き、その関係の強さを維持すること。そのためには、つながる努力、つながり直し続ける努力をしなければならない。

悪い時も良い時も、夫と妻がつながり、つながり直し、つながり続けるならば、その夫婦は神を知り、イエス様の弟子となっていく子どもたちを育てる。そしてその姿は、教会の扉をもっと大きく開くことになる。教会の外の人々が教会に、クリスチャンの家庭に魅力を感じてくるからである。(つづく)

2023年09月03日号 07面掲載記事)